上野千鶴子がもっと文学を社会学する

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上野千鶴子がもっと文学を社会学する

  • 著者名:上野千鶴子【著者】
  • 価格 ¥1,799(本体¥1,636)
  • 朝日新聞出版(2023/01発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784022518781

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内容説明

生き延びるための読み解き術にかかると、何より面白く痛快で、世の中のカラクリがわかる。凡百のグルメ本を超えた最強のフェミ本、春画研究での江戸のセクシュアリテイ、林真理子や川上未映子の小説から介護と出産、男のフェミニズムなどを題材に、読んで役立つ分析力に唸る快著。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

川越読書旅団

18
上野先生が、梅棹 忠夫(うめさおただお)氏の論文から、フランスの画家、彫刻家であるニキ・ド・サン・ファルの作品「自伝」、はたまた春画や柳田国男の恋愛論を含む、江戸から令和にかけて出版された数々の作品を独自のフェミニズム視点で分・解析する評伝。氏らしさ満載の解析で目から鱗の読了感。2024/03/23

Mc6ρ助

18
かつてパンケーキ爺サンの「その考えは当たらない」という言葉を聞いて日本語が劣化していくと薄ら寒かったが、上野千鶴子大姉が実は結婚していたという最近の騒動(大姉は相手にもしていないのかも知れないが)、「その考えは当たらない」と使って貰えればこの言葉も随分と復活するかも知れない、なんて無関係・無意味なしょうもないことを考えてしまう。(豊穣な文章を読むことが出来たひとときを味わい、とても素敵な本だったけど大姉のプライベートを覗き見しているような出歯亀になった気分が拭えないなにかイケナイ体験でありました。)2023/03/20

原玉幸子

16
上野は評が小気味良く、(決して叶わぬ無謀な思いですが)いつか対談してみたいと思うおばちゃんですが、過去の彼女の論評やあとがき他を集めた「徹頭徹尾上野千鶴子」の本書は、本紹介が全て彼女の思想思念(社会学者だからしょうがないか)なので、又、5『色と恋』などで重複引用もあると、どうしても食傷気味になってしまいました。文学云々より参考図書を記載した正真正銘の社会学の論説なので、本紹介本ではありません。私も社会学的アプローチで本を読んでいるかも、とちょっと気になりました。(ま、普通そうやろ。)(◎2023年・春)2023/03/18

amanon

7
書評集。おおむね興味深く読めたが、タイトルに反して、文学作品の割合が少ないのが、ちと不満。介護職に携わる男性としては、やはり主に男性に関する文章を集めた三章と、老いと介護をテーマにした六章がとりわけ刺さったか。中でも息子として親の介護に携わることの意味について語った「『息子介護』に学ぶ」は、他人ではなく自分の肉親を介護する、それこそ自分が生まれた場所を洗うという立場に立たされたときのことをつい想像してしまった。また、「なぜ魔女のキキは〜」では、かつて『魔女の宅急便』を見て覚えたモヤモヤ感が少しクリアーに。2023/07/30

manabukimoto

6
上野先生の「解説文学」集。文庫化の時の巻末の解説。書評と違い長く書けるし作品の価値はや背景も関連して書ける。そんな解説文学をまとめた一冊。 圧巻だったのが阿部健「どぶろくと女ー日本女性飲考」の章。阿部さんの考察「①古来、酒造りは女の仕事だった。②男女の共飲共食も普通だった。③ゆえに女性を酒造りから排除し、女性の飲酒を制約する社会は、女性の地位が低い」という簡明な三段論法を紹介しつつ、近代家族の成立(落合恵美子先生の引用が嬉しい)なども交え、女性の飲酒の社会学的考察を展開。興味深い! 大阪公立大学図書館蔵書2025/10/06

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