岩波ジュニア新書<br> “正しい”を疑え!

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岩波ジュニア新書
“正しい”を疑え!

  • 著者名:真山仁
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 岩波書店(2023/01発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784005009572

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内容説明

「自分の考えが絶対に正しい!」と他人に意見を押しつけSNSを炎上させる人.その一方で,たやすく人の意見に流されてしまう人々も….不安と不信が蔓延する社会において,私達は何を拠り所にすればよいのでしょうか.自分を信じて自分らしく生きるためのヒントを人気作家・真山仁さんが語ります.特別書下ろし.

目次

はじめに
1 世の中は,“正しい”に満ちている
空気を読むのは,“正しい”ことか
コロナ禍での自粛
自粛警察に見る“正しい”の面倒さ
日本人気質が根源に
不安定になってきた空気
1章のキーポイント
2 SNSに影響されすぎてない?
SNSって,疲れない?
SNSの関係は,何が前提か
本物の「親友」がいるか
わたしは正しい,よね!?
同じ価値観とつながる
「許せない!」という感情
承認欲求なんて捨ててしまえ
わかり合えないから語り合う
2章のキーポイント
3 不安は,“正しい”を求める
日本人は不安気質?
情報の氾濫が不安を深刻にする
“正しい”を導いてくれる人を探す
会ったことがなくてもつながれる,は安心か
震災によって壊れた「神話」
「お上」にだまされた!
「お上」不信に拍車をかけたSNS
自分を信じて精一杯生きる
3章のキーポイント
4 “正しい”の正体を暴く
連綿と“正しい”を主張する歴史書
「新大陸」は,誰にとっての「発見」か
宗教対立での譲れない正当性
あなたの「コミュ障」は,本物?
何事も決めつけは危険
4章のキーポイント
5 コミュニケーション苦手解消法
「コミュ力」にまつわる誤解
相手が何を考えているのかを探る
相手の話を自分語に翻訳
相手を理解することは,同意ではない
「大筋合意」のワナ
価値観が違う相手は敵か
中国で感じたもどかしさ
価値観が違えば“正しい”も違う
誰かと比べる日本人の悪いクセ
「わかり合えない」とわかれば理解できる
「聞く」ことで,自分の考えも鮮明になる
5章のキーポイント
6 疑う力という武器を持て
疑うって,ひねくれていることなのか
情報入手には疑う力が必要
違和感とは,「ひっかかり」
「あれ?」と思う一瞬を大切に
平和のために,自衛隊は必要か
疑う力は,情報を否定する力ではない
納得する前に立ち止まって考える
6章のキーポイント
7 情報には意図がある
情報には発信者の期待がこもる
同じ情報に異なる意図
情報は巧みに発信される
情報には隠された事実がある
SNSには根拠なき思い込みがある
時にウソが真実になる
7章のキーポイント
8 小説があなたを鍛える
小説を奨める四つの理由
小説は,想像力を豊かにする
想像力は人の数だけある
能動的な行動が本質を見抜く
感情移入して人生経験を積む
立ち止まって考える時間を与えてくれる
価値観の多様性を実感できる
複数の登場人物の内面を覗く
「視点登場人物」が多様性を導く
小説は「人間の真実」を描く
8章のキーポイント
9 なぜ,クリスティーなのか?
ミステリで疑う力を養う
世界中のファンに愛される「ミステリの女王」
読みやすくて傑作ぞろい
いい人も悪い人もウソをつく
だまされたら,もう一度読め!
だまされた箇所のチェックで鍛えられる
正解を求めるとつけ込まれやすい
9章のキーポイント
10 歪んだ“正しい”にすがるな
“正しい”は不動ではない
多様性はモラルと社会性が前提
多様性とはたくさんの“正しい”があること
民主主義を守れ! の危うさ
“正しい”を押しつけない民主主義のあり方
自分を信じる
10章のキーポイント
おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

おせきはん

35
物事が〇か×かの二元論で語られることが増え、物事を進めるのが難しくなってきたと感じていたところでした。そのような中、それぞれの「正しい」を疑い、その背後にある考えを理解したうえで、落としどころを探る努力が、一層、重要になっていると思いました。2024/03/09

future4227

34
豊島岡女子、青山学院など2024中学入試においておそらくは一番多く出題されたであろう論説文。何が正しいかなんてわからない現代において、自分の正義を他人に押し付ける風潮が蔓延していることに危惧を抱く。正しいを疑ってかかることが大切。それは小説を読むことでより洗練されていく。特にアガサ・クリスティーが筆者の一押し。そうして多様化する価値観を認め、それぞれの落とし所を見つけていくことが求められている。あとがきに書かれていた著者の言葉が心に刺さる。「将来何になりたいか」ではなく「何をしたいのか」を考えるべきだと。2024/06/15

coolflat

18
31頁。同質性の強い社会にいある日本人の多くは、相手と同じ意見を持つのが“正しい”ことだ、相手と同じ意見を持たないと認めてもらえない、と思い込んでいる。だからこそ、承認欲求を満たすために必死に空気を読もうとし、血まなこで“正しい”場所を探す。自分が相手と同じ場所にいることを表すために、つまり自分は“正しい”と認めてもらうために、他人の主張に「いいね」をしてしまう。それはなぜか。不安だからである。2024/04/27

Tomomi Yazaki

17
周りがなんとも思わず進めようとすることに疑問を持ち、異を唱える。これは中々できない。これが出来たら、また違った人生だったかもしれない。著者はそれを実践し、その志を、小説という媒体で世間に訴え続けているという。相手と違う考えでも、その意見を理解すれば信頼は生まれる。そして大切なことは、洪水のように溢れる中から正しい情報を得ること。これは至難の業のように思えるが、そんな時に頼れるのが、違和感。正しいを疑うこと。それを養う特効薬が小説。氏の推しはなんとアガサクリスティー。はたしてその方法と効用とは・・・2023/07/31

スイ

13
『ハゲタカ』作者の中高生向け新書。 “話せばわかる”ではなく、話してもわかり合えないけれど妥協点を探そうというつもりでコミュニケーションを取るというのは良かったな。2023/01/03

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