岩波新書<br> アフター・アベノミクス - 異形の経済政策はいかに変質したのか

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岩波新書
アフター・アベノミクス - 異形の経済政策はいかに変質したのか

  • 著者名:軽部謙介
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 岩波書店(2023/01発売)
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  • ISBN:9784004319511

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内容説明

水面下で大きく構造転換していたアベノミクス.金融政策から財政政策へのシフトは,いつ,どのように起きたのか.日銀は何を考えていたのか.財政当局はどう動いたのか.財政再建特命委員会や財政政策検討本部の全議事録を独自に入手,さらに内部資料,各種証言などを材料に立案過程を詳らかにし,毀誉褒貶激しい政策を徹底検証する.

目次

はじめに
プロローグ
衝撃の一報
それぞれのアベノミクス
第1章 特命委員会
異論ある人々
日銀の示唆
「京都学派」
稲田とジャンヌ・ダルク
解散決断
リフレ派の反省
統一戦線
第2章 遠い目標
日銀人事の迷走
「物価はもういい」
セレモニーと共同声明
首相の不満
消えた達成年次
「クーデター」未遂
仰ぎ見る「北極星」
第3章 財務省の混乱,問われる日銀
スキャンダル
財政制度改正案
根強い反対
ステルス利上げ
長期戦を覚悟して
変動幅の拡大
第4章 コロナ禍の菅政権とアベノミクス
「ミクロの人」
アウトサイダーの登用
多数派工作開始
「子会社の人事?」
第5章論文次官vs元首相
「肩に力」の新局長
「やむにやまれぬ大和魂」
ケーキはこなかった
御前試合
封印されたコロナ特別会計
第6章 積極財政派は何を主張したのか
党則七九条
MMTとNMT
統合政府論の限界
「カレンダーベース」
資金運用部ショック
若手議連の発足
発言する元首相
厳しい文章修正
骨太2022
エピローグ
離反か,ミスか
悲報と財政
日銀の変貌
毀誉褒貶
検証の必要性
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

106
アベノミクスは池田内閣の高度経済成長、田中内閣の列島改造論に次ぐ戦後有数の鮮明な経済政策であった。しかし異次元の金融緩和や日銀による国債の大量買入れなど過去とは全く異なる手法が採用された上、提唱者の安倍元首相が暗殺に斃れたこともあって評価停止状態にある。元首相をはじめアベノミクスの立案実行に携った政治家や日銀・財務省幹部らの動きを辿り、それぞれの立場や主張を政策に反映させようとする姿を描き出す。いずれ来る神格化なき検証の日に備えて、方針を決める側にいた面々のアリバイ調査の基礎資料作りを目指しているようだ。2023/03/18

coolflat

17
ⅱ頁。当初の「できるだけ早期に物価上昇率を2%に引き上げる」というアベノミクスの目標を達成できずに終わった日銀は、膨れ上がったツケを慎重に処理しようとしている。一方、経済政策では財政に比重が移った。当初アベノミクスの看板となった「デフレは貨幣的な現象なのだから金融緩和で克服できる」というリフレ派の主張は、「消費税を引き上げたのでデフレ脱却の勢いが削がれた」と変化し、今は「財政出動でもデフレは解消できる」というMMTの隆盛に乗って積極財政を主張している。安倍も途中から金融政策に興味を失い財政政策へと傾斜した2024/01/12

Daisuke Oyamada

16
安倍総理や、黒田日銀元総裁など、 アベノミクスに関わった多くの人たちの 発言や、会合でのエピソードや発言内容など。 とても丁寧に綴られています。 単純に、金を注ぎ込めばなんとかなる。 そう考えたアベノミクス。 金を入れても入れても効果が出ない。 現状維持がやっとのところ。笑 それでも十分凄いことだと、個人的には思う。笑 良く言えば、「試行錯誤」 悪く言えば、・・・ https://190dai.com/2023/06/19/アフター・アベノミクス-異形の経済政策はいかに/2023/06/19

MioCastello

13
当時は知りえなかった裏話を散りばめながら展開される数々のエピソードがこの上なく面白い。誰が積極財政派で誰が緊縮財政派なのかを整理し再認識するのには最適の書。ジャーナリストとして中立で在ろうとする意図は感じるが、実際には判官贔屓的なストーリーに沿った結論ありき。財務省に対する批判的見解は至極真っ当だが、積極財政に対しても否定的なスタンスが垣間見れて残念。2024/02/08

リットン

10
いまの日本の経済をどう解釈すべきなのかを知りたくて、アベノミクスとは結局なんだったのか、どういう結果に至ったのかを知ろうと思って呼んだが、そう簡単に括れるものでもなければ、結果も多様な解釈があるのだろうなと感じた。ここ数週間で、日本の株価が上がっているニュースが流れ出し、コロナからのようやくの脱出が進みそうだけど、これをただポジティブに解釈してよいのかもわからないなぁ。アメリカでの金利上昇による銀行破綻なんかを見るとそれと同じような金融緩和の出口戦略による荒れがどこかでくるのかなぁ2023/06/18

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