内容説明
大捕鯨時代が終わろうとする1980年1月、C・Wニコルは日本の捕鯨船で南氷洋へ赴いた。 ベストセラー歴史小説『勇魚』(鯨の古名)はこの時、船上で完成した。 作家としての原点となった三ヶ月に及ぶ鯨捕りの男たちとの生活を綴った 小説風ノンフィクションの力作、ついに刊行!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こぺたろう
9
はじめてのニコル氏。「勇魚」を読む前に、本書を読了。捕鯨に対する主張が明確で、苦労話も含め軽快に読めました。一方で、沿岸捕鯨に否定的だったのは意外。もう亡くなってますが、本書以降もその考え方は変わらなかったのかな。氏の考え方に、引き続き触れていきたい。2021/06/26
ma_non_troppo
3
「日本人とクジラ」で学んだ(ある種学術的な)知識と知識の溝を、タンジブルに補完してくれた。イギリス出身の著者が実際に日本の調査捕鯨船団に同行したときの様子がリアルに事細かに書かれているし、捕鯨の瞬間や解体の様子、捕鯨を職業としていた人々の肉声を感じることもできる。ヨーロッパの人々と日本人の捕鯨に対する認識の決定的な相違点も挙げられており、著者いわく、それは民族的な動物史観のちがいに端を発しているとのことだった。2011/02/28
悸村成一
1
主に1980年、南氷洋における日本の調査捕鯨船団に乗り組んだ話。図書館本。1172018/08/22