三島由紀夫「最後の1400日」

個数:1
紙書籍版価格
¥1,430
  • 電子書籍
  • Reader

三島由紀夫「最後の1400日」

  • 著者名:本多清
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 毎日ワンズ(2023/01発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784909447135

ファイル: /

内容説明

三島由紀夫先生が陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地(現防衛省)で憲法改正を訴え、自刃してから早くも五〇年の歳月が流れた。巷では、未だ憲法改正へのアレルギーは払拭されないものの、海外の情報がますます身近なものになり、中国の軍備増強や北朝鮮による核兵器の脅威などもあって、国民の自衛隊に対する意識にも変化が現われつつある。
私がここで想起するのは、先生の死後も憲法を改正せんとする人々は脈々と生き続けていた、ということである。事実、自民党は「戦後レジームからの脱却が必要」だとしてそれまでの党内論争を乗り越え、すでに天皇元首化や自衛隊を明記した「憲法試案」を発表している。それは三島先生が構想した「三島憲法」に比べ中途半端なものとはいえ、まさに三島先生が最後に憤死してまで訴えた「憲法改正」が、先生の死から半世紀を経て、プログラムに乗りはじめようとしているのである。
当時、まだ学生だった私が三島先生にはじめて会ったのは事件の三年前のことであった。以来、年齢の差こそあれ、先生と私は志を同じくする者として認め合い、訓練をともにし、日本の未来を真剣に語り合ってきた。先生との三年足らずの交流は私自身の、ともすればあきらめがちになっていた真の祖国再建への夢に可能性の灯をともすことになったのである。
顧みればいくつかの兆候を捉えながら、先生の決起を私はついに予測し得なかった。決起の報に触れたとき、私は市ヶ谷に駆けつけたが、そこで自分が何をしようか、何をなすべきかを決意するに至らなかった。無論、私は先生が割腹自決を遂げた事実を前に、ともに死を迎えることができなかった痛みを感じていた。私が死することなく、今に生き永らえることになったのは、たまたま先生の自刃の瞬間に立ち会わせてもらえなかったから、ということかもしれない。
三島由紀夫は私にとっては文学者ではなく人生の師であり、国のあり方を追求する思想家であった。今、五〇年経って明かす真実によって、私は先生との約束を果たしたいと望んでいる。(本書「はじめに」より)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

乱読家 護る会支持!

3
三島由紀夫さんへのリスペクトは感じるが、第三者的に客観的に三島さんの本質をついたような文章が見当たらなく、非常に捉えにくく読みづらい本(しっかり読んでないけど)。 平野啓一郎さんや、芥正彦さんの三島評を読んでいる方が、僕は腹落ちがします。 作家として人気者となり、身体を鍛えてマッチョになり、映画にも俳優として出演、「楯の会」を結成するなど、、、本来の「コンプレックスだらけの三島さん」ではない、「対世間の三島さん」が大きく肥大化し、それが自衛隊市ヶ谷駐屯地での自決にまで暴走したのではないかと考えます。2021/12/13

とむ

3
三島由紀夫が決起し、自刃するまでの経緯を、「盾の会」一期生として間近で見ていた著者。ただ、三島由紀夫の心の動きなどはあまり見えてこなかった。2020/12/14

Chihoish

1
知らなかったこともまだまだあり。直筆の遺書が見られてよかった。2021/02/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/16976794
  • ご注意事項

最近チェックした商品