ノーマル・ピープル

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ノーマル・ピープル

  • ISBN:9784152101907

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内容説明

マリアンは、お手伝いの息子コネルとは幼馴染。惹かれ合い、周囲に内緒で付き合い始めるが、高校卒業前に別れてしまう。だが同じ大学に通うことになりーー。劣等感や社会格差、すれ違いで引き裂かれた男女の恋愛の機微を描く、全世界100万部超の傑作長篇小説

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アナーキー靴下

62
とても良かった。高校〜大学時代、くっついては離れを繰り返す男女二人の恋愛小説であり教養小説でもある。運命的な相手に出会い関係を持ちながらも、唯一無二の魅力を持つ相手であると再発見してゆく描き方が実に巧み。始めはぼんやりとした二人のイメージが徐々にはっきりしてゆくのはまさに読書の醍醐味。造形が見えてくると、二人それぞれ強いコンプレックスを抱えており、相手こそが自分に足りないものを最大化した存在、理想の鋳型であるようにも見える。ボロボロになったり無茶したりしつつも、相手を屈服させず成長してゆく姿は気持ち良い。2023/11/07

ヘラジカ

50
若さのなかにある矛盾や混沌、単純なのに複雑極まりない感情を、飾らない直截的な文章によってヴィヴィッドに表現した恋愛小説である。際立ったドラマがあるわけではないが、二人の男女の内面を構築する筆力は並外れて素晴らしい。物語への興味はまるで湧かないのに、ところどころの巧みな心理描写には唸り声をあげてしまった。若い世代に突き刺さる新時代の恋愛小説ではないだろうか。瑞々しく嵐のように目まぐるしい関係に目が離せない読書だった。読後改めて”ノーマル・ピープル”という言葉の意味合いを考える。2023/01/06

星落秋風五丈原

32
高校時代の立場が逆転し、冴えない立場に置かれたコネルと人気者になったマリアン。でも常にマリアンが選ぶ男はだめんずばかり。二人がお似合いのカップルであるのは描写等でよくわかるし、周囲はそれを知っていてからかっている。それなのに当人同士が素直になれず、タイミングがずれて悉く別れてしまう。素直になれない二人の高校卒業最終学年から大学時代に至る四年間が、前作同様会話文を多用して描かれる。わざと間接話法と直接話法を混ぜており、舞台がアイルランドなのも前作と同じ。ただ翻訳がちょっとこなれていないと感じた。2023/01/30

ズー

20
高校時代〜大学時代で、こんなにも色々起きるものか?と思ったが、ここまで色々すごいことは起こらないにしろ、特に恋愛に関してはこのあたりの精神状況ってすごいよなと。個人差あれど。2人の関係はただの恋人同士では収まらない。でもそこに愛がある。それを信じられた時に見える道がまたある。所々結局2人の父親ってどんな人だったのかとか、もろもろ詳しく書かれてないけど、まーいいかと思うのは、あとがきにあるように、詳細はぶいて面白いことだけ書けばいい!という著者の気づきからきていると思う。よい読書体験だった。2023/03/09

uniemo

18
互いに相性が合うことがわかっているのにタイミングやちょっとした意地で付きあってもすぐわかれてしまうカップルの高校時代から大学生活を描いた小説。とてもひりひりした落ち着かない気持ちをずっと持ったまま最後まで来てしまった感じの小説でした。2023/05/01

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