トクヴィルと明治思想史:〈デモクラシー〉の発見と忘却

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トクヴィルと明治思想史:〈デモクラシー〉の発見と忘却

  • 著者名:柳愛林【著】
  • 価格 ¥3,366(本体¥3,060)
  • 白水社(2023/01発売)
  • ポイント 30pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784560098653

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内容説明

「文明化」を夢見た明治日本

文明化を追い求めた明治日本は、翻訳書が果たした役割がいまと比較にならないぐらい大きかった。そして数多くの翻訳書が刊行されるなかで、新たな概念もたくさん生まれた。
本書では、アレクシ・ド・トクヴィルと『アメリカのデモクラシー』に焦点を当てて、その営為を明らかにする試みである。
トクヴィルによって見出された「諸条件の平等」としてのデモクラシーについて、あるいはその帰結である「個人主義」や「多数の圧制」について、明治の日本人はいかに理解したのか? またいかに誤解したのか? 本書は徹底的に解明している。
その際、目を向けるのは、福澤諭吉ら明治思想界のスターだけでなく、むしろ時代の脇役たちである。
時代のあり方や将来を真剣に考えていたにもかかわらず、英傑に遮られ、注目されなかった人々。実は、彼らの西洋受容こそがその時代の典型であり、そこからしか時代の全体像は描けないのだ。
自由民権運動に邁進した肥塚龍、社会における宗教の意味を考えた中村敬宇や明治キリスト教界、国会開設の意味を自治論からとらえ直した植木枝盛や星亨、高田早苗……トクヴィルを軸に描く、新たな明治思想史へ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Yoh Sano

2
トクヴィルの使われ方も結局アメリカと戦争するタイミングとか考えると、元々国としてこの方向に行こうってことじゃなくて、後付けで使われただけってのは悲しいなと思っちゃう。デモクラシーにおいて平等などが進めば進むほど、精神的基礎、宗教的基礎などが必要になってくるのか。明治時代に伊藤博文が天皇を日本人の精神的基礎として確立しようとしたことを考えるとその先見力はさすがだなと感じた。2025/02/24

Ra

0
トクヴィルの受容史。第Ⅰ章では,初めて『アメリカのデモクラシー』の第一巻を完訳した肥塚龍の『自由言論』(1881年)を検討。同訳書は,トクヴィルが定義した「諸条件の平等」と異なり,〈デモクラシー〉概念を政体として理解し,訳語を「共和」とする致命的な欠点があった。その他の訳語の不味さも合わさり,トクヴィル思想の適切な理解には程遠い代物。その原因は訳者だけでなく英訳版の欠陥などにも求められる。(続く)2022/02/16

石橋

0
宇野重規の「民主主義とは何か」を読んでいたから、トクヴィルの名前に反応してこちらへ。とても面白い。トクヴィルは当時のフランスと比較してアメリカにおけるデモクラシー<諸条件の平等>を評価しているが、その危険性として「宗教との過度な結びつき」あるいは「人々の無関心」などをああげていて、現代にも通じる内容。2022/02/14

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