裏少年サンデーコミックス 笑顔の世界

著者名：岬かいり【著】

小学館（2023/01発売）

• ISBN：9784098516438

内容説明

3300万超PV。胸をえぐる問題作。

リカコは、いじめを受けるクラスメイトの笑顔に疑問を覚える。
それは、どれだけ虐げられても脳が幸福物質を出す手術をしているからという事が分かり――


3300万超のPVを記録し、話題騒然となったディストピアホラー「笑顔の世界」をはじめ、価値観を揺さぶる衝撃のホラー8本を収録。

ホラー漫画の巨匠・伊藤潤二先生も認める、予想を超える結末と恐怖。
異才・岬かいりの初単行本。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[内島菫]

「笑顔の世界」や「口裂け女」はちゃおコミのサイトで読んだが、本書は裏少年サンデーコミックスとして出ている。その捻れた立ち位置も、本書の特徴を暗に示しているのだろう。下手でもなく、かといって達者ともいえないごく普通の罪のない少女マンガ的な絵柄自体が、フェイントをかけてくる。少女マンガホラーにありがちな美醜等世間一般の価値観の枠内におさまり、そこからこぼれ落ちる恐怖ではなく、もうすでに主人公も社会全体もどこかズレていて、そうしたズレがユートピアに向かうこと＝ディストピアに向かうことを明かす。

2023/08/31

[しずかな午後]

小学生向けのホラー漫画だけど、オチやアイディアが面白くて楽しい。全員がマスクをしているコロナ禍の風景に絡めた「口裂け女」、なんでも好きな液体を出せる蛇口というドラえもんの道具みたいなアイディアから始まる「魔法の蛇口」が特にセンスを感じた。

2023/04/28

[赤猫]

人間社会の風刺ホラー少女漫画。 「笑顔の世界」「口裂け女」がやっぱり素晴らしい。 「地獄の落とし穴」もめちゃくちゃ皮肉で誰も信用できなくて良かった。とても味わい深い漫画。

2023/08/30

[mongoosenano]

短編集なのでサクサク読めてよかった。表紙に比べると中身はかわいらしい絵柄の少女漫画なのに歪な世界が広がっていてのめり込みました。表題作の笑顔の世界、口裂け女、魔法の蛇口が特に風刺がきいていてよかった。個人的には地獄の落とし穴の主人公が好き。他の話も学校の怪談のようでよかった。

2023/10/14

[ﾄﾞﾝﾄ]

こんな表紙で帯には伊藤潤二先生の推薦文がありながら、実は少女漫画雑誌「ちゃお」のウェブや増刊に載ったマンガであります。なので絵柄は「ちゃお」とか「なかよし」と聞いて思い浮かぶあの絵。ただし中身はドエグい。しかし「ちゃお」は定期的に増刊でホラー号も出しているし、80、90年代は少女向けがホラー漫画を牽引していたのでこれ必然とも言える。みんなも読もう、ちゃおホラー。

2023/04/04