光文社文庫<br> みどり町の怪人

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光文社文庫
みどり町の怪人

  • 著者名:彩坂美月【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 光文社(2023/01発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334794828

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内容説明

一見、ありふれた日常が流れる、どこにでもある小さな郊外の町、みどり町。ただある一点、「怪人がいる」という“非日常”を除いては……。時は1990年代初め。奇妙な都市伝説の裏には、未解決のまま20年以上が過ぎた凄惨な母子殺人事件が隠されていた――。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ma-bo

88
著者の作品は初読みです。舞台のみどり町では二十数年前に母子殺人事件が起こり犯人は今も捕まっていない為、女性と子供を殺害する怪人が出るとの都市伝説が...連作7篇の短編集。各篇の登場人物達はそれぞれが抱える問題と向き合う中で怪人の存在に翻弄される。ただ正体不明の怪人を見つめる事で、自らの心の棘に気づき一歩踏み出す展開を見せる。ミステリー仕立て+ホラー風味+ハートフル仕様。最後に明かされる怪人の正体は予想はつきそうな流れだけどね。物語の時代を90年代に設定されてるのは巧いかな。今の様に携帯電話もネットも↓2023/05/29

HANA

71
ネットニュースもSNSもなく、「噂」が口伝えで伝えられていた時代。関東地方の地方都市みどり町で、怪人が出没するという噂がたちはじめ…。という粗筋から怪談めいた作品を想像していたのですが、実際はそれぞれの主人公の人間関係を描くハートフルな連作短編であった。引っ越して間もない男女、姑との関係に悩む女性、子供たちや大学生が怪人の噂を通じて再生していくのは爽やかな感じを受ける。ただ子供や大学生は兎も角、その他の人間が何故か怪人を恐れすぎる気もするけれども。予想とは違ったけど、どこか優しい気分になれる一冊でした。2023/12/22

へくとぱすかる

48
果たして怪人はいるのか。果たして怪人とは何か。都市伝説の追及は、闇の中の手探りのように、現実にはどこかで途切れてしまうか、空回りしてしまうのではないか。フィクションとはいえ、その構造に踏み込んで、伝説の生まれるプロセスを「たぶんこんなものだったんじゃないか」と、日常系ミステリの作品にしてくれた。登場人物は全体像を知らないが、読者は最後に伝説の構造と真相を知ることになる。読み終わった話の登場人物が、さりげなく再登場して市井の日々を過ごし、作品を織りなしていく。最近の連作小説の構成は、こんなところが楽しみ。2023/02/10

よっち

41
埼玉県のローカルな田舎町・みどり町。以前あった未解決の殺人事件もあって、どことなく閉塞感を感じさせる小さな町に都市伝説の噂も絡んで怪人が出ると噂されるミステリ。地方FM局の放送がきっかけで全国的に広まっていくみどり町の怪人の伝説。閉塞的な地域ゆえに登場人物たちが思わぬ形で繋がっていて、そんなみどり町に住む人々の鬱屈からの魔が差したとしか思えない行動が、結果として意外な真実に結びついていって、みどり町の怪人の噂が燻るようになかなか消えない理由と、ひっそりと収束した過去の事件の意外な結末が印象的な物語でした。2023/01/11

えりこんぐ

37
「怪人が現れる」という都市伝説があるみどり町。ホラー要素入れて、22年前の殺人についてのミステリも入れつつのメインは人間ドラマ仕立て。辛口ですが、あまり引き込まれずフーンという感じで終了。人物描写に深みがほしい。【積読101】2023/12/10

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