内容説明
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「原発は、ほんとうにとんでもない怪物だ。あの複雑怪奇な原発の構造を理解しているエンジニアは世界に一人もいない……」。
35 年間、現場で原発開発に携わり続けた小倉さんは福島第一原発の四号機を除くすべての号機の安全系ポンプの技術とりまとめ役をし、原発を肌身で知っている。
この本は「遺言」のつもりで書いた。「原子力ムラ」の利権にたかる輩や、原発を推進する権力側にとっては、都合の悪いことも書き連ねた。読者のみなさんのなかには、「原発をつくった人間が何を今さら善人ぶりやがって!」と思われる方もいるだろう。原発をエネルギー資源の少ない日本にとってまるで「救世主」であるかのような夢を見て疑わなかった私自身、痛切に責任を感じている。
いや、感じるだけでなく、責任の一端を担っていることは確かである。しかし、長年、原発の建設や保守・点検に携わった人間だからこそわかることを書き留めることで、「贖罪」の思いもこめた。(「はじめに」より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coolflat
11
新しい原発は古い原発よりも危険性が高くなる側面があると言う。なぜなら計算技術の発達によって発見された余裕がどんどん削られていく側面があるからだ。昔は詳細な計算ができないために、安全を考慮して肉厚などを工学的な経験と勘で分厚くしていたと言う。また再処理工場の完成の遅れから、使用済み燃料プールのラックを60体用から90体用に改造すると言う。これも余裕度を削る改造だ。技術が発達しようが、経済性のために安全性は削られる。「原発の全体を隅々まで一人で理解している技術者はこの世の中に一人もいない」というのは正に至言。2015/03/11
カープ坊や
6
安倍首相に 是非とも読んでもらいたい一冊(笑) 2014/08/21
まっさん
0
危険で経済合理性のない原発の再稼働になぜ政府はこだわるのか? その理由は... 核兵器保有のオプションを留保する、ということ。 政府の内部文書に書かれているそうです。マスコミは取り上げませんが...2014/08/07
緑のたぬき
0
東芝系原発エンジニアの原発、原子力政策への警鐘の書。現場で原発保全、汚染エリアでの作業体験があるため、文章に説得力がある。「原発は複雑なシステムであり、全体を理解している人間がいない。そのため、マニュアル通りに個々を作動しても、想定外の事象が発生すると対応できる人間がいない。」という内容が印象的だった。 2018/08/21
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