内容説明
僕らは進む。互いの秘密を抱え合って。
サイコメトリーのことを弥生ちゃんに打ち明けた皐月。
だがその告白は、弥生ちゃんとこれまで築き上げてきた関係にヒビを入れるには十分すぎるものだった。
ピアノの練習を通じて進展しそうだった二人の関係は、幻のように薄れてしまう。
それでも弥生ちゃんが決意した合唱コンクールでのピアノ演奏の日は迫りくる。
皐月の想い、弥生ちゃんの気持ち。
動き始めてしまった恋の歯車は、時を戻すことだけはしてくれない。
果たして二人は、互いが互いに隠してきた秘密を乗り越え、この二人だけの、大切な日々を取り戻すことができるのか。
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
29
サイコメトリーのことを弥生ちゃんに打ち明けた皐月。しかし不器用な二人はすれ違ってしまい、そこにトラウマの原因だった真夜先輩が帰国する第三弾。お互い考えすぎて動けなくなり、いつのまにか距離ができてしまった二人。そんな状況で突如帰国した真夜先輩が提案するピアノ合宿。勇気を出すためのもうひと押し、過去を乗り越える意味でも、迷える二人の背中を推してくれたお節介な真夜先輩の存在はポイントでしたかね。周囲にも応援されて二人で一緒に乗り越えた合唱コンクール、そして二人が出した答えを最後までしっかりと読めて良かったです。2023/01/18
オセロ
12
【祝・完結】 皐月がサイコメトリーであることを弥生ちゃんに明かしたことですれ違ってしまった2人。そんな2人の仲を取り持ったのは意外にも真夜先輩。2人の本音をさりげなく聞き出してそっと背中を押してあげる様子は流石、大人の女性でした。そうして溝は埋まったものの、そこから一歩踏み出そうとする皐月の勇気と、それに応えた弥生ちゃん。そんな2人のこれからが幸せなものでありますように。2023/01/19
真白優樹
9
秘密を打ち明けた皐月と弥生がすれ違ってしまう中、ある意味因縁の相手である真夜が帰ってくる最終巻。―――見果てぬ未来、未知の先には特別は不要。改めて話し合い、周囲に背を押され夢へと向かっていく。溝の先に仲直りがあるからこそ、最後は甘さが主張している巻であり、ほっこりとする王道のラブコメが心に優しい巻である。これから先は見果てぬ未来、つないだ手の間に秘密は無し。だが、彼等にもう特別なものは必要ないのだろう。当たり前の幸せ、尊さを掴んだからこそ。これからも彼等は大丈夫なはずである。 うん、とても面白かった。2023/02/01
まいなな
4
弥生ちゃんは秘密を隠せない3巻でした! シリーズラストに相応しい祭りだったな笑笑 皐月の大舞台慣れや弥生ちゃんへの思いがあの祭を引き起こしたわけだけど、高校生の溢れ出る情熱が彼らからビンビン伝わってきて、なんだか微笑ましい光景を見た感覚がある。ストレートで全力で毎日にぶつかっている姿は美しいな。それは皐月、弥生の2人だけじゃなくて、卯月や早苗たちにも言える。全力で目の前にあるものに考え時には悩み、ハッピーエンドを目指していく姿勢がすごくキラキラして見えて、これはこれで青春の形の一つなんだなって思った。2023/02/12
水無月冬弥
3
#ラノベ #キミラノ 最終巻。スパイ要素がほぼなくなり、ほぼ甘酸っぱい青春ものになっていた。だが、それでいい。妹ちゃんは可哀そうだったけど、ハッピーエンドでよかった。2023/03/31