内容説明
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平野は即答した。
「この映画を上映しないのなら、俺たちの意味はない」
──森達也(映画監督・作家) オビ文より
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映画とは何か、ミニシアターの役割とは何か──。
名古屋シネマテークの元支配人・平野勇治は、その魅力を語るだけでなく、映画史の中での役割、社会や時代との関わりを常に考えながら論じてきた。
映画の楽しみは、何ごとかを発見したり、思考が深まる喜びと一体であると考えていたから。
そしてその思いは常に、未来に向いていた。
「今日面白い映画を上映していないと、明日面白い映画は見られない」
平野の言葉は、まさにそれを表している。
新聞、雑誌、フリーペーパーなど、多彩なメディアに寄せた文章の数々を一冊に。
その一つひとつから、映画への思い、ミニシアターの気概が伝わってくる。
●平野勇治(ひらの・ゆうじ)
1961年、名古屋市生まれ。
南山大学在学中から自主上映団体「ナゴヤシネアスト」の活動に参加。卒業後はシネアストが82年に設立したミニシアター「名古屋シネマテーク」のスタッフとなり、87年からは支配人を務めた。
他に愛知芸術文化センターオリジナル映像制作作家選定委員、金城学院大学現代文化学部非常勤講師(映像文化論)、愛知淑徳大学大学院非常勤講師(国際映画論)など歴任。地域の芸術振興にも尽力した。
2019年1月、死去。享年57。
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