内容説明
あれから50年…「連合赤軍事件」に関する多面的検証の書。
1971年から772年にかけて全国にその名を轟かせた集団が存在した。
その名は「連合赤軍」。
本書は、連合赤軍が引き起こした一連の事件および「連合赤軍事件」が
勃発するに至った当時の時代背景を踏まえ、事件の真相を明らかにしようと
試みたものである。
著者は執筆にあたって事実のみをベースに検証・考察する。そのために、
当事者への取材をできる限り行い、当事者が書いた文献を丹念に読んだ。
これら当事者とはもちろん事件を起こした犯人、つまりは連合赤軍のメンバー
で本書での主役である。また、事件を取り締まった警察関係者、
マスコミ関係者も当事者に加えることもできる。それぞれの立場で関係者は
手記を残している。立場が違えば考え方・関わり方が違う。
本書では、それぞれの立場からの多角的多面的な視点を導入し、
事件の検証を試みた。
[目次]
(1) 「この顔にピンときたら110番!」
(2) 発端――群馬県・榛名湖畔、妙義湖畔、籠沢、
軽井沢、レイクニュータウン
(3) 連合赤軍前史――「過激派」「極左」と呼ばれた彼ら
(4) 連合赤軍の時代
(5) 連合赤軍の成立から「自滅」――あさま山荘漂着まで
(6) あさま山荘の内と外
(7) あさま山荘事件後――その後の連合赤軍
(8) 首謀者森恒夫とは
(9) サブリーダ? 永田洋子の人間像
(10)連合赤軍に参加しなかった面々
(11)連合赤軍メンバー27名の身上調書
(12)革命と性
(13)私的考察的結論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
34
連合赤軍事件の全体像を検証することを目的とした本書だが、著者は高校教師を定年退職した人物であり、どうやらこれが最初の著書であることから、さすがにテーマが巨大すぎるのではないかとの懸念からページをめくることとなった。実際、前半の記述は出来事を追うことで精一杯の印象が強く、当然そこには目新しい事実や考察は見当たらない。連赤事件の奥深さは、革命左派と赤軍派、指導部と兵士、粛清した側とされた側、あるいは革命家と国家といった具合に、立場によって同じ風景が違って見える多面性にある。(つづく)2022/03/04
オールド・ボリシェビク
2
著者は元高校の生物教師。1958年生まれというから、私と同い年か。1971〜72年に起きた連合赤軍事件を当時の新聞記事や裁判資料など、膨大な文書と関係者の証言から再構築していく。この手の文章を書き慣れていないのか、ところどころ、わかりにくい表現もあるが、大変な労作であることは間違いない。同い年ゆえ、50年前の一連の事件の捉え方は極めて似ているように思う。なぜ、あの時代は、かくも多くの若者が左翼になっていったのか。本当に革命が可能であると信じていたのか?事件の当事者との年齢差は10歳。この年齢差が決定的だ。2021/11/12
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