内容説明
1945年、19歳で学徒出陣により徴兵され、戦争と軍隊を嫌悪した渡辺。政治記者となって目にしたのは、嫉妬が渦巻き、カネが飛び交う永田町政治の現実だった――。「総理大臣禅譲密約書」の真相、日韓国交正常化交渉と沖縄返還の裏側、歴代総理大臣の素顔。戦後日本が生んだ稀代のリアリストが、縦横無尽に語り尽くす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Isamash
28
NHKチーフプロデューサー安井浩一郎2023年発行著書。読売新聞の渡辺恒雄には興味大なのだが、著者の主関心は戦後の政争である様で期待するものは得られず。渡辺の生き方を肯定し、戦争体験の有る政治家や権力者は平和を希求し、そうで無い政治家は危ないとする見方も表面的すぎると思ってしまった。時の総理と親しすぎる様にも思える渡辺がどうして新聞社を擁する読売Gの最高権力者まで登り続け、何故読売新聞は安倍首相の御用新聞の様なものなってしまったのか。それに何も答えていないし、政争史も特に新しいエピソードも引き出せていない2025/04/23
d3
24
先日亡くなられた読売新聞主筆・渡辺恒雄が戦後政治について語るNHKドキュメンタリーの書籍化。記者として目撃してきた昭和政治史の証言は貴重である。 保守論客でありながら、戦争については絶対否定する立場で政治家たちと付き合う。そこには戦争を体験したものの強い意志を感じた。 ただ皮肉なことに、氏の内なる権威による行動が、現代的な視点から見れば前時代的に見えてきたのも事実である。 戦争体験者によって作られていた時代が昭和だとするならば、戦争を知らない世代ばかりになった令和はどのように進んでいくのだろうか。2024/12/15
hideto
11
渡辺恒雄、通称「ナベツネ」。どうしても元巨人軍オーナーというイメージが強く、球界再編時の振る舞いも含め、いい感情を持てない人物です。そんな彼の特に昭和時代に迫ったノンフィクション。描かれているのは、敏腕記者として、昭和の大物政治家達と関係を持ち、時にブレーンとして助言を与え、スクープをものにする姿。一貫しているのは、太平洋戦争を経験した者として、戦争を忌み嫌っているところ。今の政治家もほぼ戦争を経験してない世代となり、こうした経験を語れる人も少なる中、貴重な話を聞かせてもらったように思います。2023/06/01
史
6
数週間前に回顧録を読んでしまったのでそこまでの衝撃は流石に。だけど番組を見た時のとんでもないものを見てしまったという記憶は鮮明に覚えている。戦争体験から始まる部分こそ今の時代にも語り継がれてなければならないことである。シラミの話や思想の話も含めて。あと、男のジェラシーはいつだって離せないということも。諸々も含めて、昭和というのは緊張感に包まれた時代であり、そこで打ち勝ってきたのか、それとも頓挫してしまったのか。という話でもあるか。渡辺恒雄入門としては最適な一冊(映像の方が尚良だけども)。2023/03/05
T.Matsumoto
4
NHKスペシャルでの渡邉氏インタビューの書籍化。理不尽な戦争体験に始まり、新聞記者として大野ら党人派の信頼を得、毎週読書会を開いた中曽根が総理になるまでの戦後政治史。御厨氏のほか、西山氏などの渡邉評も含めた多角的な内容で、渡邉本人の発言は少ない印象。いや、載せられなかったのかな。すごい人だなと感嘆。戦争体験という共通基盤が渡邉と政治家を結び付け、政治をリードしたという内容。メディア史としても興味深く読めます。にしても、戦争体験のある政治家が、二階氏で最後だったとは。2024/11/15
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