中公新書<br> 森林に何が起きているのか 気候変動が招く崩壊の連鎖

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中公新書
森林に何が起きているのか 気候変動が招く崩壊の連鎖

  • 著者名:吉川賢【著】
  • 価格 ¥924(本体¥840)
  • 中央公論新社(2022/12発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121027320

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内容説明

2019年、オーストラリアで史上最大級の森林火災が発生。5ヵ月間で17万平方キロメートルもの国土が焼失した。近年、温暖化の影響による森林の「異変」が世界中で観測されている。大規模火災が相次ぐのはなぜか。森林破壊がもたらす経済的影響は。豊かな自然を守るため、何をすべきなのか――。本書は、森林生態系のメカニズムから、日本の里山の持続可能な保全策まで、森林科学の知見を第一人者が解説。実効的な気候変動対策を論じる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

121
アメリカやオーストラリアの森林火災は広く報道されたが、それ以外の世界でも森林が危機的状況に瀕している実態を明らかにする。シベリアでは永久凍土の融解でタイガが草原と化し、伐採や焼き畑で大量の熱帯林が失われ、日本でも病害虫の蔓延でマツ林の消失が危惧されている。樹木も生き物であり、生きにくい環境になれば病み滅ぶとは認識されていないのだ。温暖化のみならず人の手による開発と反対の保全策放置により、現代ほど森林がストレスを受け続けている時代はない。回復策の第一歩として、日本の森林の統合的管理を真剣に検討すべきだろう。2023/04/09

きみたけ

67
著者は岡山大学名誉教授の吉川賢先生。森林生態系のメカニズムから日本の里山の持続可能な保全策まで、森林科学の知見を解説し実効的な気候変動対策を論じた一冊。近年、温暖化の影響による森林の「異変」が世界中で観測されており、相次ぐ大規模火災の謎と森林破壊がもたらす経済的影響について検証しています。何気に、シベリアの草原の中に作られたトイレでの蚊と闘いのコラムが面白かったです。現地調査、ご苦労様です😅2023/02/14

tamami

60
『「地球の原風景」が失われる前に』と帯にあり、頻発する大規模森林火災、温暖化や人為的要素によるシベリアタイガの縮小、地球規模での砂漠化の拡大等々、研究者としての立場から、世界各地の森林が急激な変貌を遂げていることが記される。世界の各地で「史上最大級」の森林火災が起こる仕組みや、永久凍土とタイガの関わり、その中で重要な役割を果たす二酸化炭素の循環について、気候との関わりや生態系の在り方など、専門的な観点から数字を挙げて示される。熱帯林やタイガ、サバンナなど、これまで漠然と持っていたそれらの「森林」に対する2023/02/05

さきん

29
森林火災から入る切り口は独特。著者自身世界中の森林の様々な状況に立ち合っており、説明には迫ってくるものを感じる。例えばタイガの崩壊状態であるアラスの説明。樹体の液体流動が専門なので、国内での森林資源活用への提言に特に特別なことは見いだせず。やはり、消費者側がより資源を利用するライフスタイルを模索するか、バイオマス発電を進めるか、海外基準の製材で輸出するか。2023/01/22

塩崎ツトム

20
ただ単に森を守るだけでなく、その森でどういう炭素循環があるか、季節ごとにどういうストレスが樹々にかかっているか、そもそもどういう風に資源を利用するのかまで勘定に入れないと、ただ単に時間と資源を浪費していくだけなんだなあ、と思う。2024/10/23

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