内容説明
自分が銃で狙われているという恐怖は凄まじく、パニックに襲われそうになるのを、かろうじて耐えている。冷静な判断力をうしなえば、死ぬしかない。貴志はまだ二十七歳になったばかりだというのに、もう何人もの人間を殺している、プロの殺し屋なのだ。 殺し屋の孤独な焦燥を描き尽くすサスペンス・アクションの力作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山田太郎
4
なんだか言い訳が多い殺し屋です。あっさり終わりすぎる感じ。2010/03/16
けいちゃっぷ
4
主人公の貴志は絶対的に孤独でありストイックであるのだが、わりとあっさり書かれているので「殺し屋の生理、その孤独な焦燥感」(著者あとがきより)は表面的にしか伝わりませんね。2007/11/30
安藤永遠
2
荒唐無稽な設定にいかにリアリティある肉付けをするのか。作者の腕前の確かさがよくわかる。とはいっても、30年以上前の小説。ぜひ2017年の東京を舞台に職業殺し屋の物語を書いてもらいたいものだ。2017/07/01
fre634
1
淡々と殺し屋を続ける男の内面を描くだけで面白い流石の山田正紀。「本当のプロの殺し屋に誇りだとかロマンなどという物は無くただ機械の様に人を殺すだけだ」と主人公に繰り返し言わせているにもかかわらず、感傷的な物が常に流れているのがやっぱりいいですね。2014/07/24
魔魔男爵
1
銃も車も基本的に使用せず、酒もタバコもやらず、女にも淡白な、エコな知恵ある殺し屋のオムニバス。同じ手口を使って警察にマークされるのを避けるため、毎回違う手口を使うのが芸が細かくて良い。警察からの逃亡劇では、コンゲームの面白さもあります。何故殺し屋になったかというつまんないドラマはいっさい語られず、ストイックに淡々と臨機応変に仕事をこなしていく主人公がデラかっちょええ!全ての作品に捻りが効いている傑作。ライアルの「もっとも危険なゲーム」のオマージュもちろんやってます。本人は「悪党パーカー」だと主張してます。2011/06/13