Ｅｃｏｎｏｆａｋｅｓ エコノフェイクス

著者名：フアン・トーレス・ロペス/村松花

サンマーク出版（2022/12発売）

• ISBN：9784763139962

内容説明

「経済の１０のウソ」にだまされ、一生を棒に振らないために！
本当に正しい経済学を、僕は教えたいと思う。

経済学は、難解で抽象的な数式で提示されると、科学的で議論の余地のない真実のように見える。「科学」には普遍的な「法則」が必ず存在する。しかし、じつのところ、経済学の分野はそのような法則にもとづいたものではなく、ゆがんだイデオロギーによって導き出された「ウソ」で満ちあふれている。そして、これらの虚偽によって一部に権力や富が集中するシステムが正当化されているのに、私たちの多くはそのことに気づいていない。
応用経済学が専門の著者によって、本書では我々の生活と富の分配方法に大きな影響を及ぼしている経済に関する１０のウソが解きあかされる。「資本主義とは自由市場と競争の経済」「社会の高齢化で年金制度は行きづまる」「雇用創出のために賃金を下げるのはやむをえない」など、社会システムの根本にまつわる「ウソ」について、経済の素人でもわかるように解説、最後には「ホント」が示される。世の中の常識と思われていることに疑問を持つことを教えてくれる一冊。



「経済の１０のウソ」にだまされ、一生を棒に振らないために！
本当に正しい経済学を、僕は教えたいと思う。

経済学は、難解で抽象的な数式で提示されると、科学的で議論の余地のない真実のように見える。「科学」には普遍的な「法則」が必ず存在する。しかし、じつのところ、経済学の分野はそのような法則にもとづいたものではなく、ゆがんだイデオロギーによって導き出された「ウソ」で満ちあふれている。そして、これらの虚偽によって一部に権力や富が集中するシステムが正当化されているのに、私たちの多くはそのことに気づいていない。
応用経済学が専門の著者によって、本書では我々の生活と富の分配方法に大きな影響を及ぼしている経済に関する１０のウソが解きあかされる。「資本主義とは自由市場と競争の経済」「社会の高齢化で年金制度は行きづまる」「雇用創出のために賃金を下げるのはやむをえない」など、社会システムの根本にまつわる「ウソ」について、経済の素人でもわかるように解説、最後には「ホント」が示される。世の中の常識と思われていることに疑問を持つことを教えてくれる一冊。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[SGM]

経済学がいかに机上の空論であるかを痛烈に批判。やや難解な説明でわかりにくい部分や賛同しかねる部分もあったが勉強になる部分も多かった。とくに目から鱗だったのは資本主義は競争によって経済を発展させるものではなく、まったく真逆で独占寡占を作りだして富を集中させるシステムという指摘。実際に近年は競争が抑制され賃金も生産性も減少しているとのこと。新自由主義者が「規制緩和しろ！」と声高に叫ぶのは競争を排除して富を独占させるためという。規制緩和すると競争が激化しそうなイメージはただの妄想だった。騙されたらあかんですね。

2023/03/16

[やましん]

トップポイントで概略だけ確認。良書。自然科学と異なり経済学は特定のイデオロギーに偏った理論を、それらしい数式とともに説明したフリをする。しかし「その過程においていくつかの証拠や代替的な理論を脇に追いやって」おり経世済民の学とは千里の径庭があるものになってしまった。無論自然科学にも地動説が定説となっていた時代もあるのだから、観察者はパラダイムを通じてしか観測できないことは学の文理を問わず同じなのではないか。観察に純粋な客観性を担保できない以上、結論の影響を実用的な観点で評価する必要があるのではなかろうか。

2023/08/03