内容説明
江戸の真ん中、日本橋伊勢町の小間物商「丸藤」は、紅やおしろい、櫛やかんざしなど、きらびやかな品揃えが自慢の大店だ。その「丸藤」の娘ふたりのうち、幼いころから病弱で品川で暮らしていた姉の里久が、年頃を迎え、家族のもとに戻ってきた。ところがその里久、漁師町の暮らしにすっかり染まり、まっすぐな物言いと大店の娘らしからぬ立ち居振る舞いで、実の母も妹・桃も戸惑うばかり。だが、里久の底抜けの前向きさが、閑古鳥が鳴き始めていた店を少しずつ変えていって──。おてんばな姉と小町娘の妹、看板姉妹の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
84
小間もの丸藤看板姉妹「跡とり娘」1巻。日本橋にある小間物商「丸藤」は大店、長女里久は病弱で幼い頃から叔母の住んでいた浜の生活を過ごしていたため、大店の娘らしからぬ振る舞いでなじめないでいたが、店頭に出て働き出した事により商いの面白味を覚え、やがて閑古鳥が鳴き始めた「丸藤」を変えていく、次巻が楽しみです。 2021/09/18
タイ子
82
江戸は日本橋の小間物屋が舞台。見目も性格も正反対の2人の姉妹。姉里久は幼い頃病弱なため海辺の伯母の家で育てられ、妹桃は大店のお嬢様として美しく育つ。里久が久しぶりに実家に帰って来るが、育ちの違いに戸惑う家族たち。里久の天真爛漫な性格や斬新なアイデアと、まっすぐな心が下向きだったお店の売り上げや周りの人々の心さえ変えていく。姉妹がだんだん寄り添っていく姿、里久が江戸に慣れようとする健気な気持ちに胸が熱くなる。家族、お店で働く人たち、幼馴染み、登場人物たちがみな温かくて気持ちのいい物語。シリーズ第一弾。2020/08/29
kagetrasama-aoi(葵・橘)
44
「小間もの丸藤看板姉妹」第一作目。江戸の日本橋伊勢町にある小間物商“丸藤”が舞台。姉の里久は病弱だったため、品川の叔母の元、漁師町で成長した御転婆さん。妹の桃は小町娘。二人の姉妹が小間物を通してお店に関わり、成長していく物語。当時の化粧の蘊蓄も面白かったし、小間物(紅や白粉、簪、手拭いetc.)の色々が華やかで読んでいて楽しかったです。仄かな恋の行く方、続きが気になります。面白かったです。2021/05/10
fuku3
43
2022.7.15読了。里久は12年振りに日本橋の大店小間商"丸藤"に帰って来た!病弱だった里久は品川の漁師町で育ち天真爛漫な無邪気な娘として丸藤に戻って来た⁉︎大店の跡取り娘としては⁉︎受け入れた父母、妹桃、奉公人、幼馴染、職人、は戸惑うばかり!次第に里久の明るさに感化され新たな丸藤が展開されて行く!妹の桃の変わりと云ったら、最初はなんて鼻持ちなら無い嫌な奴と思ったら最後はさすがは〇〇小町!二人でお店を良くしようと奮闘する姿が微笑ましい!里久は無理が祟り体調を崩してしまう!里久にとっての幸せとは⁉︎2022/07/15
のんちゃん
43
江戸日本橋の大店小間物商丸藤に、幼少期、体が弱く親戚の漁師町に預けられていた長女里久が娘盛りになり、戻ってきた。だが、里久は漁師町の男っぽさが抜けず、母も妹で美人の誉高い桃も手を焼いていた。しかし、ここで、里久は商売の振るわなくなってきた店を持ち前のガッツで、妹と共に建て直しにかかる、という時代物。現代物の様に読みやすく、悪人がでてこない、安心して読める作品。江戸の小間物は以前から興味があり、その品の描写も嬉しい。タイムスリップしたら、小間物商は絶対行きたい場所だ。続編も既刊。すぐに読みたい。2020/01/04
-
- 電子書籍
- その男のハイヒール【タテヨミ】第38話…
-
- 電子書籍
- 蛇衆 集英社文庫