内容説明
明治三十八年八月三十日。日露戦争の勝利に沸く世間は一変、日本にとってほとんど利益のない講和条約に、失望と怒りが広がった。民衆の不満は桂首相の愛妾であるお鯉に向き、警視庁第一部第一課の岡崎巡査たちは、お鯉の住む妾宅の警備を命じられる。群衆の怒りは更に加熱し、ついには暴徒が街に火を放った。そんな暴動の最中、妾宅で刺殺体が発見される。岡崎たちは死因を騒擾として片付ける赤坂署に疑問を持ち捜査を始めるが──。日比谷焼打事件の裏で蠢く大きな陰謀に、岡崎巡査たちが挑む!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くたくた
41
警察小説?には違いないんだが、明治末期である。1905年日露戦争が終結し、日本は講和条約を締結。だがその内容は、誰にとっても満足できるものではなかった。特に一部の大物政治家と多くの民衆にとって。暴動が起き、時の首相桂太郎がやり玉に挙げられ、桂の妾のお鯉にも危険が及ぶ可能性があるため、警視庁第一課の件の面々は部長の直命で警護に出向く。捜査物というより、時代の空気感を読む。会議室が畳敷きで、あぐらで車座、というのが面白い。ラストはしてやられた!という感じで爽快。大陸の広くて乾いた空を思い描いた。2024/03/17
桜
28
藤田さんと部長が好き2024/01/24
マムみかん(*ほぼ一言感想*)
25
明治警察小説の第2弾。 日露戦争勝利後のポーツマス条約への不満に端を発した日比谷焼打事件、その背後にある陰謀…。 そういうこともあったかもね〜と面白く読めた。 今野さんの警察小説では、よく魅力的な上司が出てくる。 このシリーズでは葦名警部や鳥居部長も良いが、何と言っても庶務のおじいさん! 警視庁の後輩のため、今回も大活躍で素敵☆2023/12/03
活字スキー
19
警察小説で人気の今野敏が送る明治警察浪漫譚、一年ぶりのシリーズ2巻。日露戦争で勝利したにもかかわずポーツマス条約のシケた内容に民衆の不満が爆発した日比谷焼打事件の最中、桂首相の愛妾宅で発生した不審死を追う。前作同様いわゆるミステリとしてはあっさりしすぎながら、当時の空気を感じつつとにかくサックサク読める心地よさと藤田翁の圧倒的強キャラ感を楽しむべし。このまま安定してシリーズ化するのかな?2022/09/06
コブタ
4
日露戦争の勝利で講和条約を結んだが、条件の悪さに民衆が納得せず日比谷焼き討ち事件が勃発する。帝都を警備する鳥居部長率いる警官たちと圧倒的な存在感の藤田(斎藤一)、政治結社黒龍会を交えての殺人事件捜査。史実とフィクション入り混じっての物語でサクサクと読める。2022/10/14
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