内容説明
ひょんなことから異界に招かれた主人公たちを描いた作品集。「ハンカチの上の花畑」「三日月村の黒猫」など、中編4編とエッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hepatica nobilis
21
異界というテーマで中篇を4作収録。どれも初読だった。傑作そろいの巻だと思う。無国籍風な作風に、民話風の素材が一緒になって読者は夢幻の世界に遊ぶことになる。その異界は苦い現実世界の陰画のよう。2017/03/26
うめ
20
あまりにも近くに居て、居ることが当たり前だから、忘れてしまいがちなこと。あなたはわたしの大切な、かけがえのない人。それは親だったり友達だったり、伴侶だったりする。または、自分の良心だったりすることもある。本を読むと、失わずして、喪失の苦しみと後悔を知る事ができ、取り返しが付かなくなる前に、大事な人のありがたさに気が付く事が出来る。本って、物語って素晴らしい。巻末エッセイの、家事に対する考え方が好き。仕事も家事も丁寧に、つまりきちんと生きていくのが好き。人も持ち物も、気にかけ、手をかけ、大事にしていきたい。2015/01/16
木漏れ日の下
17
読友さんのご感想から読んでみたくて図書館から借りてきました。読書が好き児童書も好きだと言いながらまだまだ知らない作家さんも多く、こんなに読み継がれてきた作家さんに出会えたことに感謝。異世界に迷いこんだ不可思議さと話によっては少しの怖さに取り込まれていきました。読みながらどんどん子供時代にかえっていきました。菊のお酒や木漏れ日のレース、なんて素敵!巻末にはエッセイが収録されており、刊行年月を見なければ物語もエッセイもそんな昔のものだとは気づきもしなかったと思います。良いものは残っていくということですね。2017/11/07
mntmt
15
不思議な話が4編。本当に異界の世界に迷い込んだ感じ。安房直子さんのお話をもっと読んでみよう。2015/08/04
おはなし会 芽ぶっく
11
『さんしょっ子』 https://bookmeter.com/books/16101166 を始め安房直子さんの絵本を読むことが多く、しっかりと文章を味わいたいと思い見つけたシリーズ。4編の短編とエッセイ。『 ハンカチの上の花畑 / ライラック通りの帽子屋 / 丘の上の小さな家 / 三日月村の黒猫 / 以下エッセイ 昔おぼえた詩 / 私のアンデルセン童話集 / 小人との出会い / 小人と私 / 「ライラック通りの帽子屋」のこと / 童話と家事と / 家の中の仕事 』2020/09/06