内容説明
本の魔道師ケルシュが町で拾った少年は狐に似た獣を連れていた――「ジャッカル」、瀕死の者を助ける生命の魔道師が向き合うことになった過去の亡霊とは――「ただ一滴の鮮緑」など、全5編の短編を収録。自らのうちに闇を抱え、人々の欲望の澱を引き受け、黒い運命を呼吸する魔道師たち。ときに迫害を受け、ときに体制に反抗する人々に手を貸し、栄光に包まれることもなく、賞賛を浴びることもない、そんな市井に生きる魔道師たちの姿を描く短編集。巻末にこれまではっきりとは描かれてこなかった、オーリエラントの神々についての資料を付す。/【目次】セリアス/運命女神(リトン)の指/ジャッカル/ただ一滴の鮮緑/神々の宴/あとがき――神々の存在
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぽろん
33
オーリエラントの魔道師達を描いた短編集。あとがきにトールキンの影響を受けているとあったが、指輪物語の様な世界観が愉しい。それぞれの短編の主人公達の話を長編で読んでみたいなあ。2023/01/31
ぽてちゅう
18
オーリエラントの魔導師シリーズ。市井に生きる魔導師たちが、国のためでなく、自分とその力に助けを求めに来る市民のために、「為すべきことを為す」姿を描いた短編集。魔導師と神々の立ち位置は目鼻立ちがはっきり見えるくらいの距離感、魔導師と市民は手を取り合えるくらいの親近感。鷹揚でフレンドリーな神々の姿が、厳しい生活に負けない市民の姿が、心の闇をえぐるストーリーを生き生きと明るくさせる。「ただ一滴の鮮緑」。素敵なタイトルに目を引かれる。そこに、まさか、大魔導師レイサンダーが登場するとは(プルプル)…!イチ推しです。2023/02/08
UN88
11
過去の登場人物を、忘れつつある。このシリーズは何回読み返しても面白そうだしまた読もうかな時間を見つけて..。ワインを水で薄めて飲むという裏技はなるほど役にたつかもしれない。2023/03/17
a*u*a*i*n34
11
オーリエラントシリーズの今作は短編集。懐かしの方々も登場するし、作者のあとがきもあるしでサービス心に溢れた一作です。2023/02/07
しずく
6
5編の短編集 どの短編も面白く読めました。誰もがどこかに闇を抱えるけれど、闇に飲み込まれるのもそうならないのも自分次第 運命女神の指、ただ一滴の鮮緑、ジャッカル。女性魔道士の話が好きでした。ジャッカルの不思議なつながりもよかったです。このハイ・ファンタジーのとっかかりとして読んでもとても面白いのではと思います 2024/01/17