内容説明
本の魔道師ケルシュが町で拾った少年は狐に似た獣を連れていた――「ジャッカル」、瀕死の者を助ける生命の魔道師が向き合うことになった過去の亡霊とは――「ただ一滴の鮮緑」など、全5編の短編を収録。自らのうちに闇を抱え、人々の欲望の澱を引き受け、黒い運命を呼吸する魔道師たち。ときに迫害を受け、ときに体制に反抗する人々に手を貸し、栄光に包まれることもなく、賞賛を浴びることもない、そんな市井に生きる魔道師たちの姿を描く短編集。巻末にこれまではっきりとは描かれてこなかった、オーリエラントの神々についての資料を付す。/【目次】セリアス/運命女神(リトン)の指/ジャッカル/ただ一滴の鮮緑/神々の宴/あとがき――神々の存在
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
39
『セリアスSerias』 森の奥でひっそり暮らすイザベリウスとロルリア。二人の専門は修復だ。壊れた道具から流れなくなった川まで“修復”の範囲は幅広い。あざとく稼ぐのではなく、知り合いと酒をかっくらう、なんて事のない毎日だったが、新任の地方代理人が欲を出したばかりに。出所を明らかにしない悪意に満ちた噂が、無実の二人を追い込んでいく様は現代社会に通じる。対抗する手段は目には目を、なのだが人間にはできない技だ。2024/12/09
ぽろん
34
オーリエラントの魔道師達を描いた短編集。あとがきにトールキンの影響を受けているとあったが、指輪物語の様な世界観が愉しい。それぞれの短編の主人公達の話を長編で読んでみたいなあ。2023/01/31
ぽてちゅう
20
オーリエラントの魔導師シリーズ。市井に生きる魔導師たちが、国のためでなく、自分とその力に助けを求めに来る市民のために、「為すべきことを為す」姿を描いた短編集。魔導師と神々の立ち位置は目鼻立ちがはっきり見えるくらいの距離感、魔導師と市民は手を取り合えるくらいの親近感。鷹揚でフレンドリーな神々の姿が、厳しい生活に負けない市民の姿が、心の闇をえぐるストーリーを生き生きと明るくさせる。「ただ一滴の鮮緑」。素敵なタイトルに目を引かれる。そこに、まさか、大魔導師レイサンダーが登場するとは(プルプル)…!イチ推しです。2023/02/08
mako
17
5編からなる短編集。それぞれ趣が異なり、楽しんだ。時折出てくる懐かしい人物にも頬が緩む。2024/10/17
Ribes triste
17
オーリエラントの魔道師たちの5つの物語。市井の人たちの中で暮らす魔道師たちは決して万能ではなく、魔力を持つが故の苦悩を背負い、悩み考えながら生きている。中でも「ただ一滴の鮮緑」が強く心に残った。いつか心は伝わり、苦難の日々が報われる時が来ることを信じたい。2024/05/29
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