終わりの始まり

個数:1
紙書籍版価格
¥1,760
  • 電子書籍

終わりの始まり

  • ISBN:9784863855380

ファイル: /

内容説明

韓国文学界を背負う一人であるソ・ユミ、待望の初邦訳

恋の記憶、家族の記憶、残酷で美しい春の記憶。
ソ・ユミは、私たち自身の傷と記憶を呼び覚まし、時の流れとは何かを伝えようとする。私たちはいつだって、人生の新しい章を始められるのだ。――櫻木みわ(小説家)

1970年代生まれの韓国女性作家、チョ・ナムジュ、ファン・ジョンウンなどと並び、韓国文学界を背負う一人であるソ・ユミ、待望の初邦訳

【著者】
ソ・ユミ
1975年ソウル生まれ。2007年「ファンタスティック蟻地獄」で文学手帳作家賞、同年「クールに一歩」で第1回チャンビ長編小説賞を受賞しデビュー
都市に暮らす人々の孤独や葛藤を温かい眼差しで繊細に描く韓国を代表する女性作家。
短編集に『当分は人間』『誰もが別れる一日』『今夜は大丈夫、明日のことはわからないが』長編に『ファンタスティック蟻地獄』『クールに一歩』『あなたのモンスター』『終わりの始まり』『隙間』『ホールディング、ターン』『私たちが失ったもの』エッセイに『ひとつの体の時間』などがある。

金みんじょん
ソウル生まれ東京育ち。10代で来日、KBSラジオや京郷新聞などを通して日本のニュースを紹介し日本文化を韓国に伝える活動をしている。
慶應義塾大学総合政策学部卒業、東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士課程単位取得退学。
韓国語の著書に『母の東京 ― a little about my mother』『トッポッキごときで』韓国語への訳書に『那覇の市場で古本屋』(宇田智子著)『太陽と乙女』(森見登美彦著)『海を抱いて月に眠る』(深沢潮著)など。日本語への訳書は『私は男でフェミニストです』

目次

第一部
第二部
作家の言葉
訳者の言葉

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイティ

25
死に際の母を看病する郵便局長のヨンム、美容師の妻ヨジン、ヨンムの部下ソジョンの3人の物語。始まってしまった関係は続けるより終わらせる方が難しい。それぞれの終わりを描く過程で、3人の痛みが切ない。韓国文学にしては地味で物足りなさもあるけど、「普通に見える人々」の痛みや孤独、秘密を描いた長編作品として秀逸。 原書の解説には「切られた傷の上に貼るバンドエイドのような小説」「批判するために声を上げるのでなく、ぎこちない笑顔に注目する」とあるそうだが、まさに終始切実さとけなげさが溢れていた。読んでよかった一冊。2024/04/10

かもめ通信

18
ぜひとも追いかけていきたいと思っている書肆侃侃房の韓国女性文学シリーズの最新刊を、書評サイト本が好き!を通じて頂いた。この物語の主な登場人物は三人で、それぞれが交錯しながら、三人三様の春が描かれている。春は別れの季節だなんて、言い出したのは誰だったのか。桜の花が咲き始める。それは確かに終わりの始まりだったかもしれない。だが花が散ったその後に、始まるものも確かにあった。2022/11/08

星落秋風五丈原

15
三者三様の終わっていく話でした。2022/11/23

Jessica

5
寝る前に読み初めて、読んだら朝起きられなくなるだろうなと思ったら案の定起きられませんでした😂 ものすごく曖昧で独特でブルーグレーみたいな本です。(表紙もそうであって欲しかった。) 私は終わりから始まりまでの過程は、多分悲しみや後悔、失望、屈辱のような細かい塵を箒で掃き出すようなことだと思うのですが、この本ではまだ箒を持ってすらいない人が多かったことが気になって… 読んでいるこちらも登場人物も救われず、結構痛みが残りました。2023/06/04

三日月

5
ヨジンとその妻ヨジン、部下のソジョン。3人のそれぞれの別れの話。 全体的に淡々と特に大きな出来事もなく進んでいく。 読後感は悪くないけど静かすぎて少し物足りなかった。 結末を知った上でもう一度ゆっくりと読み返したい。2022/12/17

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/20274319
  • ご注意事項