内容説明
武藤類子は明峰寺学園高校の二年生。剣道部のエースにして、学園の有名人だ。自身の才覚もさることながら、彼女は天才囲碁棋士・牧場智久の恋人であり、カリスマ的な人気を誇るミュージシャン・速水果月の想い人なのだ。そんな彼女が遭遇する三つの不思議な事件を、智久が鮮やかな推理で解き明かしてゆく。ユーモアと魅力的な謎に彩られた連作本格ミステリ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ち~
24
天才囲碁棋士、牧場智久シリーズ。短編3つ。「青い鳥、小鳥」はオチが早くわかってしまったり、「せつないいきもの」はオチや動機が少しガッカリ。「蜜を、さもなくば死を」はタイムリミットのある中での暗号解読でおもしろかった。どれも主人公である牧場智久の出番がほとんどないのが残念…と思っていたらサブタイトルが「牧場智久の雑役」。なるほど…。2017/09/18
yutan2278
18
天才囲碁棋士牧場智久シリーズ第6作目とのことですが、これだけ読んでもちゃんとわかるようになっています。本作は「青い鳥、小鳥」「せつないいきもの」「蜜を、さもなくば死を」3話の連作短編集です。牧場君がメインで登場するというわけでもないので、ゲーム3部作のような読み応えのあるものではないのですが、これはこれで面白かったです。2023/10/12
シアン
9
牧場智久雑役シリーズ第2弾。3編からなる連作短編集。肝心の牧場智久は電話でしか登場せず、アームチェア・ディテクティブの体裁。時代を感じる会話ややりとりもあるが、意外と読みやすかった。2017/09/27
やまだん
7
武藤類子が主人公の中編3つが収録されている。解説にもあるが,分量も中編程度,内容も軽妙で,竹本健治の作品では読みやすい。3つの作品はどれも同程度のデキ。いずれも,ミステリとして面白さはそこそこ。サプライズはないが,暗号やパズル的な謎解きが用意されている。キャラクターは魅力的に描かれており,ヒロインの武藤類子をはじめ,速水果月などの脇役もそれなりにキャラが立っている。牧場智久は,いずれの作品でも電話でしか登場しない。竹本健治の作品に多い,謎を残すような終わり方はなく、よくも悪くも平均的・平凡な作品(55点)2018/04/15
hirayama46
4
竹本健治のミステリはサプライズやトリックを重視しない、オフビートな部分が強いので自分の中でどう評価するか迷ってしまいます。特にこういう非幻想のコミカルミステリならなおさらなのかも。決してつまらないわけではありませんが、推しどころの見極めは難しいかな、という印象。2017/10/18