内容説明
宇佐見護博士は、サンフランシスコ近郊の研究所に勤める博物学者。紅茶を飲みながら思索を巡らし、ときに幻想の旅に出る。M・C・エッシャーの絵画が現実化した街へ。シュレディンガーの猫の生死の境へ。未だ書かれぬ空白の物語の中へ。そして、神に見捨てられた牢獄へ。「世界」という名のこの檻の謎に迫る、孤高かつ挑戦的な「本格」論理の美しさを見よ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
93
2008/3/15 アシーネダイエー甲南店にて購入。 2017/5/10〜5/13 9年物の積読本。いつも書くことだか、柄刀作品と私の相性はよろしくない。この本は、メフィストに掲載された「エッシャー世界」を読んで、気になり買ったもの。柄刀作品の特徴である論理トリックが全面的に展開される。が、やはり相性かなぁ。世界に入れなかった。2017/05/13
usarlock
26
うっかり異次元へと旅立ってしまう癖を持った宇佐見博士が不思議だがどこか美しい謎を解くシリーズ2作目。「エッシャー世界」と「ゴーレムの檻」がかなり好き。前者は宇佐見博士がエッシャーの錯視画が現実となった世界へと迷い込む。読みながら情景を想像しているだけで頭がねじくれそうだったw 表題作は牢獄に閉じ込められた男が不可能状況の中で姿を消す密室もの。これも凄いです。他の作品も捻りがあって楽しかった。このシリーズはもっと読んでみたいのでぜひ続きをお願いします。2014/10/01
みなみ
20
三月宇佐見のお茶の会シリーズ第二弾の短編集。「エッシャー世界」と「見えない人、宇佐美風」がお気に入り。前作よりはほんの若干現実的にはなったものの、不思議な世界に迷い込んで謎を解くことになる宇佐見博士は現実世界で生きているんだろうか…2022/06/07
山茶
17
面白い。いわゆる密室物ばかりだが、ひとつもふたつも趣向が違う!トリックがシンプルであってもそれを感じさせない筆力に唸りました。そして本全体でトリックがあったとは・・・。脱帽しました。2012/01/14
coco夏ko10角
16
第2弾。宇佐見博士、あっちにこっちに…そして最後には…。 『ゴーレムの檻』が良かった。他の話と比べるとまだ現実っぽい?結局自分はそういう話の方が合ってるのかも。2021/09/05