親切の人類史――ヒトはいかにして利他の心を獲得したか

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親切の人類史――ヒトはいかにして利他の心を獲得したか

  • ISBN:9784622095675

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内容説明

人はなぜ「赤の他人」に親切にするのか? 生存競争には一見不利な「利他の心」を生物理論と個人や国家による慈善の歴史から考える。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テツ

15
特に直接的なメリットがあるわけでもないのに利他的な行動をしがちな人類。何故そうなったのかを生物学と社会学的な側面から眺め説いていく。よほど自分自身にデメリットがない限り基本的には他者に親切にした方が自分が得をするから(長い目で見て生き延びるために有利だから)そうした行為に快楽を感じるような精神構造になっていったのだ。人類ってね。わりと親切なんですよ。利他的な行為ってきもちがいいから。偽善も偽悪もいらない。そうした在り方をそのまま受け入れたい。良い本でした。2023/10/06

5
前半の進化論からのアプローチでは、結局利他行動は何らかの見返りか名誉が必要だという。後半では、理性が思いやりを獲得していく歴史を示す。生活がかつかつでも、人に手を差し出せる自分でありたいな。2024/03/17

きち

5
利他主義、寛大さについて、なぜ人類がこのような社会を形成することができてきたのか、直感に反するところもあるからこそ、教育を通じて社会に浸透させていくことが重要と理解。互恵、評判だけではない理由についても納得2023/01/03

marukuso

2
血縁淘汰、互恵的利他主義、間接互恵性などこれまで進化生物学が明らかにしてきた利他的行動を概観し、生物学と歴史学をつなぐように社会問題としての福祉について考える。利他行動≒福祉という発想は面白い。ヒトが人を助けるということを考えるのは謎に満ちているし、いつも考えさせられる。2023/01/04

izumone

2
2つの分野の合体。1つは前半部。生物学/進化論的な言説。ダーウィン,ハミルトン,トリヴァース,ウィルソン系。後半部は歴史/社会系。農耕の始まりから「論語」ヨーロッパの慈善制度を経て国連ミレニアム開発目標へ。両者は氏と育ちというか素質と環境に対応しているよう。最終章で統合した見通しを提示している。歴史がやや西欧社会に偏っているのが気になるけど,骨太にまとまっていてとても勉強になった。2023/06/16

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