中公新書ラクレ 中学入試超良問で学ぶニッポンの課題

著者名：おおたとしまさ【編著】/蟹江憲史【監修】/山本祐【監修】

中央公論新社（2022/12発売）

• ISBN：9784121507822

内容説明

中学入試の社会科は、重箱の隅をつつく知識問題ではない。現代社会の諸課題をテーマに思考力・記述力等を求める良問ぞろいの中から、中学受験のプロが９問を厳選。外国人労働者、環境、格差、ジェンダーなど多岐にわたる分野はＳＤＧｓに通じており、大人の学び直しにとっても格好の教科書である。掲載校は麻布、田園調布、武蔵、頌栄、浅野、　友、駒場東邦、東京純心、市川。圧倒的密度の９問を通じて、各校の本気を体感せよ。ＳＤＧｓの第一人者による監修とワンポイント解説、巻末資料付き。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

[りょうみや]

中学入試の社会を題材にした大人向けの本とあるが本当に大人でも面白いし難しいし考えさせられる。知識・思考・判断の総合力が必要とされる。2022年の入試に限ってもこれだけ幅広い社会問題を扱う本が作ることができるのもすごい。各学校がどんな生徒を求めているかが伝わってくる。個人的には算数の難問よりももっとこういった社会の難問で差をつけるほうが健全だと思える。社会なしの3科目受験が進んでいる関西中学受験が不満になる。

2023/01/08

[武井 康則]

中学入試の社会から、良問を選択、1章の外国人労働者問題の麻布中学、公害問題を取り上げた田園調布学園など、力作と言えるが、次の教育問題、女性問題辺りから、よくあるような問題で最後のSDGｓになると、政府の旗振り役かなと。SDGsでは批判的な斎藤幸平「人新世」を取り上げながら、やっぱりSDGs。中学入試でその深さ、素晴らしさに胸打つものもあるけれど、やはりそれは当然一部であって、

2024/06/03

[ヨータン]

中学入試のほうが大学入試よりも時代の先を行っているように感じます。私立大学の入試も、細かな知識を問う問題を廃止し、中学入試のように社会問題を取り上げ、自分の考えを述べさせる形式へとシフトしてほしいです。

2025/02/07

[Happy Like a Honeybee]

中学入試を侮るなかれ。 時制問題はきちんと新聞を読み続けないと正解は出せない。 環境を嘆くより、付与された条件の中で最適解を見つけるのは子供大人も同様だ。

2023/03/12

[嵐 千里]

中学入試問題と侮るなかれ。 池上解説風な問題文（懇切丁寧）に、鋭い設問。 これを小学生に解かせるのかと腰を抜かす。 大の大人も真っ青な一書。 SDGｇに傾いているのが疑問だが、斎藤幸平氏の『人新生の資本論』の出題が取り上げられており、納得。

2023/02/05