北極星号航海記

著者名：阿川尚之【著】

講談社（2022/12発売）

• ISBN：9784062080187

内容説明

至福に満ちた忘れ得ぬ旅――大西洋航路伝説の客船を偲び、北欧フィヨルドへ、QE2でニューヨーク港へ、陽光きらめく海への船出。ボートを操り家族と下るイギリスの運河。語り尽くせぬ愉悦の時間、人生の楽しみとロマンを心ゆくまで味わう！

●いったん船旅が好きになると、あの揺れさえもがなつかしくなるのである。テーブルの上に置いたコップの水の表面がエンジンの震動と共に小刻みに震え、船が傾く度に斜めとなる。残り少なくなったポタージュスープが片方に寄って、わざわざスープ皿を持ち上げる必要がない。船室の壁が、かすかな音をたててきしむ。ラウンジの窓の外が一瞬海だけになったかと思うと、次第に水平線が降りてきて、今度は空だけになる。そんな時、ああまた船に乗っているのだと思う。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ぶんこ]

ノルウェーの郵便船で、フィヨルドの海岸線を行く旅行記。他にも船旅の数々が紹介されてます。イギリスの田舎をナローボートで、水門のある運河や川を、１０ｍから２０ｍの長さのボートで、ゆっくり旅をする。田舎の、のどかな風景、個人の素晴らしい庭などを眺めながら、のんびりと川面を行く。素敵！しかし読んでみると大変そうです。水門を通過する時の、門の開け閉め、水流や水草に気をつけながらの運行。白鳥のように、表面優雅に見えて、頑張らないと進まないようです。ご家族は船旅がお好きでないとは勿体無い。