講談社文庫<br> 密室を開ける手

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講談社文庫
密室を開ける手

  • 著者名:藤本ひとみ【著】
  • 価格 ¥759(本体¥690)
  • 講談社(2022/12発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065302583

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内容説明

祖父が死んだ――疎遠だった和典は、葬儀当日も通学し参列しなかった。そんな時、母親から父親のクリーニングを取りに行ってほしいと頼まれる。面倒と感じつつも葬儀に参列しなかった引け目から、しぶしぶその役目を引き受けた和典。品物を引き取る際に、店員から依頼はなかったがシミ抜きをしておいたという伝言を受ける。そのシミは大部分にわたる血痕だった――。父親は血を浴びるようなことをしたのか、ととたんに不安になり思いを巡らせる中、母親から最近父親が頻繁に長崎に行くようになり、絶対に女がいるに違いないとヒステリックに話していたことに思い至る。本当にそうなのだろうか? そして父親が通っているという長崎は、偶然にも祖父の出身地であることに気が付いた。何かがある――そう直観した和典は、調査にのりだす。そしてだんだんと分かってきたことは、祖父が戦時中叶えられなかったある強い想いがあるということだった。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

YH

3
前作の失楽園よりは断然面白かったけど、和典がすごく苦手。思春期男子が嫌いなんだけど、和典ってそのエッセンスそのもの。物語も、祖父や父が密かに行った実験は、和典の祖母に対するものすごい裏切りと感じてモヤモヤする。2025/06/01

ぶんぶん

2
藤本ひとみさんの作品はあまり読まないのだけどなぜか手に取った本。 タイトルからミステリかな?と思っていたがこれは…。 法が変わればアウトというか充分すぎるくらいに狂気の世界だよ、これ。 戦争が悪いというよりどうしたらこんな発想になってしまうのか理解及ばす…2023/09/26

non

1
 24-215:シリーズもので高校生。後ろのエッセイで著者の父親をベースにしたらしいと。裕福な家庭の親子関係と祖父らの秘密裏のゲノム編集「こんな自分でも父は受け止めてくれる·戦時下に生きた人間は皆それに巻き込まれその傷を心身に刻みつけた」2024/11/15

ピカチューロール

0
2023/02/16

あめ

0
KZU高校生シリーズ3作目。以前、小学生のKZUシリーズを読んだ覚えがありこういう形で続いてたことが嬉しい。相変わらず書かれている史実も明らかになる謎の答も昏く悲しく重い。でも、これは人間が辿ってきた歴史でもあり事実。ナチスの人体実験の内容を調べると意味があったのか疑問しかないものもある。名誉、逆らえない命令、それだけでは片付けられないものもあるような気がする。乾燥BCG人体実験被験者という作者の父の経験などが元になっていることに驚き切ない。野枝と祖父のしたことは被人道的と感じるけどその心中もまた切ない。2023/01/24

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