講談社現代新書<br> 言語ゲームの練習問題

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講談社現代新書
言語ゲームの練習問題

  • 著者名:橋爪大三郎【著】
  • 価格 ¥891(本体¥810)
  • 講談社(2022/12発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065302491

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内容説明

【もっとも易しいヴィトゲンシュタイン入門!】

なんで犬をイヌって呼ぶの?
地球人の数学と宇宙人の数学は似てる?
私とあなたの「痛い!」は同じ?

私たちを支配する「社会のふるまい」のルール=「言語ゲーム」。
そのヴィトゲンシュタイン哲学の核心を、36の練習問題を解きながら平易な言葉で解説!


「約束しよう。
この本は、ヴィトゲンシュタインに比べればまるでオモチャだ。小学校の算数だ。でもその問題が解けるかどうかで、自分の生き方も、ものの見方も、まるで違ってしまうという覚悟で考えよう。さもないと、ものを考えたことにはならない。
子どもは、真剣に遊ぶ。真剣に遊ばなければ、遊んだことにはならない。
おとなは、真剣に考えよう。考えることに、お金はかからない。その気になれば、誰でもできる。そして、真剣に考える大人が増えれば、この世の中はその分だけ、ちょっとましになると思う。」ーー第3章より


【本書の内容】
・失われた文明の解読は、暗号の解読と同じ?
・言語を正しく使って、初めて人間は人間になる
・『論理哲学論考』と『哲学探究』の相違点
・言葉の意味は、言葉では説明できない
・私を私たらしめる「固有名」と「確定記述」
・人間は言語ゲームを抜けることができるか?
・クリプキの懐疑論と「くゎ算」という思考実験
・規範(価値)は同時に「事実」である   ……ほか


【本書の構成】
1、隕石衝突問題
2、世界の終わり
3、宇宙人を見分ける
4、言葉と意味
5、言葉と実物世界
6、固有名
7、ゲームとルール
8、数列とルール
9、偶然と自由と可能世界
10、感覚と内面
11、文の仕組み
12、嘘
13、ルール懐疑主義
14、確実性について
15、言語ゲームの応用問題

目次

1、隕石衝突問題
2、世界の終わり
3、宇宙人を見分ける
4、言葉と意味
5、言葉と実物世界
6、固有名
7、ゲームとルール
8、数列とルール
9、偶然と自由と可能世界
10、感覚と内面
11、文の仕組み
12、嘘
13、ルール懐疑主義
14、確実性について
15、言語ゲームの応用問題

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

120
若い頃、ヴィトゲンシュタインの「言語ゲーム」の考え方に初めて出会った時の戸惑いを思い出す。直示的定義、ルール、私的言語、ふるまいの一致などの用語を、概念として理解するのに難渋しただけに、練習問題という本書のアプローチは非常にユニークで有難い。著者が指摘しているように、本書は「ヴィトゲンシュタインの解説書」ではなく、正に、「活動の体系」である言語ゲームの考え方を通して行う社会学的演習なのかもしれない。最近の生成系AI(ChatGPT)の登場を見ながら、ふとヴィトゲンシュタインに思いを馳せる今日この頃である。2023/05/23

へくとぱすかる

52
社会学者の著者が、分析哲学を自分で基本からやってみた本。だからこそ、知識や教養でない、本来の哲学のあり方が表れているし、読みやすく、アプローチが新鮮。おかげで言語ゲームというものを、ようやくわかったような気がする。なぜ「語りえぬもの」があって、そこから先が行き詰まるのか。辞書の説明で、基本的なことばほど理解に苦しむのはなぜなのか、それが納得できる。ラスト近くになると、現代社会とのかかわりの記述が増えていくが、それが著者の「応用問題」としての提起だろう。自分としては<私>の問題をさらに深めていきたいと思う。2022/12/24

ころこ

41
遠い説明的な概念は「本質」だろう。使用、流通があって、はじめてルールのようなものが立ち上がっているようにみえる。言語ゲームによって、あるとき分かる。しかし、そこにルールの本質は無い。共通しているのは、終局的には外部性が無いということだろう。外部性が無いということはメタ構造が生じないため、正統性が確定されない。本質が無いということは人生観に影響を与える。最初に私の死と世界の死の話が出てくる。私は世界の中心ではない。言語ゲームが出来なければ世界は存在しない。「本質」と「分かる」が触れあっていないのが興味深い。2022/12/23

田氏

21
ウィトゲンシュタインの哲学は『論理哲学論考』よりも『哲学探究』のほうが“実用的”だ、と言っていたのは誰だったか。後者のコアとなる考えが、言語ゲーム。言葉って、すでにある事物と一対一に対応して生まれるっていうより、何を指し示すかの当てっこゲームでの「わかった!」みたいな何かでできてるよね、的な。この考えは、倫理学などの価値論、社会学や経済学その他もろもろに敷衍できて、なるほど確かに実用的だ。この本は、自身でいわく「オモチャのような」ものではあるらしいが、社会のなりたちを考え、実用の一端に触れることができる。2023/02/10

原玉幸子

16
導入の宇宙人の意思疎通手段の言語に?「言語論的転回」への繋がりが分り難かったところもありましたが、後半以降、「痛いから痛いのではなく、痛いと言うから痛いのである」との解説を通じ、「言語ゲーム」が何たるかを知ることが出来て面白かったです。改めて、西洋哲学がモノ(ゴト)の解明と理屈に心血を注いで来たのに対し、例えばインド哲学では「その何かは何かなだけ」と定義する(そこは解明しようとしない)んだなぁ、とふと思いました。最近の流行りか、ビジュアル言語表現主体っぽい書きっぷりが気になりましたが◎(◎2023年・春)2023/02/17

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