内容説明
派遣秘書の福は雇い主と出かけた先のビルで、廃棄物処理業者の大輔とぶつかった。ろくな謝罪もない舐めた態度に激高した福は罵詈雑言の限りを尽くし、大輔は一言でやり返す……そんな最悪な出会いから始まった。ベッドの半分を占める体は邪魔だし、同じシャンプーが香る頭は寝癖だらけ。他人の「いいね」からは程遠い、喧嘩ばかりで格好つかない恋愛の本音を、男女の視点別に描く共作小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
65
千早×尾崎の文庫化記念ロング対談が巻末付録。二条福(女)の部分を千早さんが、桜沢大輔(男)の部分を尾崎さんが担当した共作。普通の恋愛小説では描かれない部分のみ描かれているので読者は「こんな男(女)のどこが良くて同棲してるんだろう」と感じてしまう。それなのに二人の価値観に共通するものがあるのが伝わるので二人の作者の作品だということをつい忘れそうになる。大輔がときおり千早作品に登場するむさくるしいのに魅力あるタイプの男だからなのだろうか。尾崎世界観さんの作品は初読み。2023/10/09
聖華
44
尾崎さんと千早さん、何方も文章が美しく、初めてにして最高の共作小説だと思いました。 特に尾崎さんの作品は今まで読んだ事が無く共作小説である本作が初読だったのですが、ちょっとした言葉の言い回しだったり、人物の不器用な動作の中に少しの優しさ、温かさを残したような表現が施されていたりと、かなり好みな文体でした。千早さんもお得意の表現力で輝いていました✨ 丸く収まるようなラストもまた素敵。 お互いの魅力を引き出し合えるとても相性の良い作家さん同士だったので、またお二人の共作小説を読んでみたいと感じました。2023/01/21
やっちゃん
42
男女入れ替わりで同じシーンを別視点で書く、よくある群像劇だけど2人共作とは珍しい。特別なことが起きるわけではなく男女の心の機微を描く純文学。イライラモヤモヤをうまく言語化していて気持ちいい。突然押入れに隠れたのが謎すぎて笑。2024/12/02
mayu
35
うわぁ、なんか凄かったなぁ。別に何が起こる訳じゃないのに、目が離せない。全然噛み合わないし上手くコミュニケーションさえ取れてなくて、結局喧嘩になる大輔と福。大輔は無口すぎるし、どこまでもだらしない上に墓穴を掘るようなよくわからない行動を軽々と起こす。福は彼氏をアレと呼ばわりでキレ方が半端ない。罵倒し始めたら止まらない。尾崎世界観さんは初めて読んだけど、純文学混ざりの文は読みやすく現代の若者ってこんな感じなんだろうなぁっていう生っぽさがある。素晴らしい共作は、尖った飾り気の無い男女の姿が強烈に残った。2023/01/11
えも
27
予想外のコンビが男女の視点別に共作。ダメな恋愛が、更にダメになっていくのは共作ならでは。でも'18に刊行されたってことは、二人共が超有名になる前だよね。この企画、先見の明ですな。2023/05/28
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