内容説明
近年、「老化は治療可能な病気」とみなす研究者は多く、アンチエイジングから不死に至るまで研究は隆盛を極める。実際、自然界には四〇〇年近く生きるサメや、根系が一万四〇〇〇年以上生き続ける樹木、果ては若返るクラゲも存在する。永年の夢だったはずの「不老不死」は今、いったいどこまで実現可能になっているのか。研究の最先端と未来を、ユーモアを交えて分かりやすく解説。実践的アドバイスも紹介する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かみぶくろ
52
3.2/5.0 老化に関する研究成果や蘊蓄が雑駁に並んでいる。内容自体けっこう面白いんだけど、人間の身体の複雑さはやはり一筋縄ではいかず、なかなか理解が追いつかない部分も。個人的には細胞のリプログラミングに抜本的な可能性を感じる。同時に、危うさも感じる。2023/03/19
bonbon99
17
この本で人間の健康状態は複雑で簡単にはいかないということがわかりました。巷で言われている健康法や栄養学は、企業や意図を持って論文を書いていることが多いとのこと。一番良い薬は運動すること。やはりこれですね。睡眠・運動・栄養の三本柱を気にしていき、自分にとって合った健康法を確立していくのが良いと感じました。2023/03/09
マルレラ
14
人類の永年の夢である「不老長寿」について、最新の研究や考え方について紹介した本。著者ニクラス・ブレンボーはコペンハーゲン大学博士課程の大学院生。 寿命に関する研究が紹介されているのですが、引用をつけて辿れるようにして欲しいなと初めに感じてしまいました。ただ内容はとても面白く、特に断食の世界最長記録の話が印象的で、貯蓄があると何も食べずとも1年以上も生きることができることに驚きました。本書の内容は大学時代の研究に近く、酸化ストレスやカロリー制限など聞き馴染みのあるワードにとても懐かしい気持ちになりました。2024/01/14
はやたろう
14
今分かる寿命因子を網羅した内容。若きデンマークの研究者が不老不死を目指す様々な研究の成果を分かりやすく解説してくれる。彼の研究成果ではないが、身近な行動が寿命に少なからず影響しているらしいことも取り上げており、興味をそそる内容だった。グッド!2023/11/04
どんたこす
14
「寿命の遺伝率が15から33%である事は、寿命の違いの大半は、遺伝以外に原因があることを語っている。」 このことは自分自身の努力によって健康長寿を勝ち取ることができる可能性があると読める。寿命のライフハック版ともいえる寿命ハックが最新の化学的知見により易しく述べられている。一方で体に良いことでも他方では最悪のこともあり、人間の体はうまく設計されているんだなと感心させられた。2023/04/17