内容説明
水商売の専門高校、廃校の危機!?
日本初の水商売を専門に学ぶ都立高校が新宿歌舞伎町に設立されてから二十八年。夜の街は、コロナ禍による営業自粛で閑古鳥が鳴いていた。都立水商でも、伝統ある入学を祝う会が早々に中止になり、神奈川の高校との交流戦もとりやめられた。そんな中、週刊誌に、水商の存在に疑問符を投げかける記事が掲載され、ニュースとなる。全校に動揺が広がる中、生徒会は文化祭を盛り上げようと、あらゆる手を画策する。さらには、メジャーリーガーを親に持つ徳永英雄率いるバスケット部が、都大会で快進撃を続けるのだった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yamatoshiuruhashi
48
都立水商、続編一挙刊行。新聞の広告で知り手にする。室積光作品は設定が奇抜ながら、その中に深い人生観、芯の通った考えがあるところが面白い。本書は昨年12月の刊行。都立水商の廃校問題がチラチラしつつも本筋には出て来ず、その問題は次巻送りらしい。本書ではコロナが広まり始めた2020年が設定らしく、次々に各種行事が中止となり更にコロナ媒介の元凶として水商売が叩かれ、水商売のための実業高校への非難も出てくる。それでも室積節は健在。個性豊かな先生、生徒たちのセリフの中に深淵な真理を感じることあり。2023/01/17
ゆずぽん
25
創立28年目を向かえた都立水商も、コロナ禍で入学を祝う会・校外実習・学園祭などが中止、縮小などの影響をたくさん受けていた。そんな中、生徒たちは・・・学校行事が次々中止になる上に水商の存在価値までたたかれながら、生徒たちよく頑張ったなぁ。実習室での伊藤先生・石綿先生・水野くんの場面は良かったな。ラストのぴん介先生のはなむけの言葉には泣けちゃったし、くだらないと言えばそれまでだけれど、愛とか友情とか青春とかいっぱいあって、大好きだわ~2023/01/30
信兵衛
24
このシリーズ、本当に良いなぁ、好きだなぁ。 荒唐無稽のフィクションですけれど、理屈なしに面白く、痛快かつ爽快で、何度も胸熱くなってしまう感動がありますから。2022/12/28
まるぷー
24
都立水商もコロナ禍の影響を受け、困惑した状態を生徒会を中心に立ち向かう姿が心強かった。恒例行事の「入学を祝う会」や「卒業式」をオンラインによるネット配信を余儀なくされる。校外実習も取り止められ就職を念頭においた3年生にとって厳しい一年が訪れる。水商売専門学校の必要性の可否を世論が叩く中、バスケット部の全国大会での大活躍や生徒会役員に一年生の新戦力が加わるなど明るい兆しも窺える。特殊な高校が舞台であるが、青春学園小説を呈し清々しさを感じた。卒業式寸前に亡くなったぴん介先生のネットでの話に涙した。2022/12/20
ざるめ
11
「そんなアホなΣヽ(゚∀゚;)」とツッコミを入れつつ、楽しく読んできたこのシリーズにも遂にコロナが…(;>_<;)普通の学生さんも大変な世の中なのに、水商の皆さんは更に大変だ!(×_×)しかし、それを乗り越える強さを持っている(^^)♪卒業式は泣けたわ~(;つД`)ぴん介先生~~。゚(゚´Д`゚)゚。2023/04/23