内容説明
僕は何か尊いものを見ている気がした――。昭和38年、京都祇園。東京の大学生、津田雅彦は花模様の浴衣姿で一心不乱に祈る女性と出会う。輝く眸(ひとみ)に心を奪われ、若者は恋に落ちる。容姿も芸技も随一と評判の舞妓、真祇乃。やがて彼女も雅彦に想いを寄せていく。逢瀬を重ね、恋情を育む二人だったが……。許されぬ恋に身を焦がす、歓喜と悲哀の名作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Lumi
19
京都の祇園が舞台。美しい舞妓と、東京から祇園の友達の家に身を寄せる大学生との恋物語。 京都の祇園には行ったことがないけれど行ってみたくなる。 若さゆえの向こう見ずさと純粋さが眩しい。 祇園の外からきた主人公の目線を通して祇園の異質さと美しさ、恋心を感じられる小説でした。2023/10/31
goodchoice
1
ただ一言、素晴らしい! 久しぶりに甘酸っぱく胸が締めつけられる恋愛小説を読んだ。2010年発表のようだが、昨今の醒めた若者と違い、主人公を含め相手役の舞妓、その二人を支える周りの人達が皆素直でとても好感が持てる。 本当に良い小説を読んだ。2023/02/24
しょーちゃん
1
個人的にすきな話。舞妓さんと東京の大学生の話はなんだか瑞々しくて、でもどこか危なげで、この年代の子たちだからこそという印象。そこに色づくように添えられた京都の情景が鮮やかで、なんだか夢の中に迷い込んだかのよう。このまちには奥がある、というのを体現したような話でした。2023/01/17
taro035212
0
こういうのが読みたかったのよ。2023/12/05