内容説明
世界初のこころみ
超難解哲学書を徹底的に読みつくす
大好評、知の高峰を読み平らげるメチエ「完全解読」シリーズ第3弾。カント三批判書の第二書にして、「善」の根拠を論理的に証明し「倫理」を哲学的に基礎づけた近代哲学の金字塔を徹底的に読み込む。現代の正義論もこの書なしにはあり得なかった!
目次
緒論 実践理性批判の構想について
第1部 純粋実践理性の原理論
第1篇 純粋実践理性の分析論
第2篇 純粋実践理性の弁証論
第2部 純粋実践理性の方法論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんすけ
21
カントに親しみ始めたのが十七歳だったから、もう六十年近い付き合いとなるが、「実践理性」は未だに朦朧感が拭えない。 「純粋理性」が理性に至る認識の追及であるのに対し、「実践理性」は道徳という限定しがたいものを対象としているからであろう。 また、このように問い合わせることができるようになったのも、この十年の自身への問いの結果に過ぎない。 対象が経験として得られるものでなく、経験を解釈せねばならないからに違いない。なぜなら経験の大半は無駄なものだからである。 2022/09/28
wattann
5
この休みはカントを徹底的に読む。第一弾。次は中島義道さんのカント解説本。いきなり原書は私には無理。2010/12/31
aoya513
2
唯一腑に落ちなかったのが、「最高善への無限の接近」の為の「魂の不死の必然性」。別に最高善に到達出来なくても、接近さえ感じ取れればそれが道徳的行為の(間接的)動機になるのでは?「無限の」接近=魂の不死は本当に必要?「生きている間に出来る限り接近する」では駄目なの?2016/12/07