内容説明
本書は、文明の存亡や、世界各国の政治・宗教にも多大な影響を与えた、天文現象や気候変 動などの長期変動が、世界史・日本史にどのような影響を与えてきたかを解説。ベストセラー講師が 最も壮大なスケールで歴史を語ります。
目次
【目 次】
はじめに 目次
第1章 太陽と星
1. 太陽信仰の起源とストーンサークル/2. 太陽暦とヒライアカル・ライジング
3. 惑星の発見と占星術
第2章 火山と地震
1. 鬼界カルデラ噴火と縄文文化/2. アトランティス伝説とサントリーニ噴火
3. ヴェスヴィオ噴火とローマ帝国/4. 浅間山噴火とフランス革命
第3章 地球温暖化と寒冷化
1. 気候変動の自然要因/2. 地球の自転・公転と気候変動
3.縄文海進とサハラの砂漠化/4. 中世温暖期とノルマン人
5. 小氷期と軍事革命
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tamami
53
著者の仕事は予備校の世界史講師だという。歴史の流れを細かな事件の羅列として捉えるだけでなく、火山や地震による災害や地史的規模での気候変動の影響も無視できない、という立場から、人類文化に関する興味深いエピソードが、最新の研究成果を踏まえて記される。必ずしも系統的ではないが、文化史に関心がある自分にはとても楽しく読めた。一週間の曜日の名称は、インドから伝わった『宿曜経(すくようきょう)』に由来するというような雑学も披露されていて、雑談のネタ本としては打って付け。太陽の話題に始まり太陽の話で終わる構成が面白い。2022/12/02
ta_chanko
23
地球上で繰り返される壮大な気候変動のサイクル。地球の離心率・地軸の傾き・歳差運動により万年単位の長期変動が、太陽の活動周期=黒点の増減により百年単位の中期変動が、また火山噴火により年単位の短期変動が引き起こされる。全て太陽エネルギーの照射量の変化によるもの。当然、人類史・世界史もそれに翻弄される。太陽や星の動きを正確に観測してストーンサークルやピラミッドを造った太古の文明の存在は非常に興味深い。2022/11/23
如水
22
地球の変動=歴史の変動、と言う内容。地球の気候が何故変動するのか?を太陽や火山、地震、今ナウ?な温暖化、歴史好きなら知っている戦国時代の寒冷化。様々な地殻変動が有ったから人類は進化した…と言った所でしょうか?特に第一章の太陽暦やストーンサークルは分かりやすい。因みに前にも記載しましたが、現在温暖化問題が有るのですが、人にとって問題なだけで有り、地球にとっては必然…と言う風に思えるのは自分だけでしょうか?2023/02/21
TheWho
17
規模の気候変動を繋げて展開する論述。当初は、これまで良く観られた気候変動と歴史事象の関連を論述する歴史本と思ったが、いきなり夏至と太陽信仰やストーンサークルの繋がりから、惑星の発見と占星術や易経、陰陽道の成り立ちや、はたまた地球の自転・公転と気候変動、縄文時代とサハラの砂漠化、小氷河期と軍事革命等の破天荒な説が散りばめられる。ともあれ現代の地球温暖化の欺瞞を暴いた興味深い一冊です。2023/02/21
KAN
16
地政学に見られるように、人間は環境に大きな制約を受け、その人間たちが作り出す民族とか、国家の営みの記録である歴史にも当然、その痕跡が見られる。地球規模、さらには宇宙レベルの環境もその行動に影響がある。いや、制約とか影響とかいうよりも、人間の主体的な精神的、物質的な生命のためにもその環境が活かされることで、初めて歴史というもの教訓、意義、価値があるのではないかと思う。2022/11/26