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内容説明
近年、あいつぐ古代遺跡の発見。多くの遺跡は、奈良と大宰府へと続く道沿いに点在している。その遺跡や道は、万葉集の舞台でもある。都が置かれた奈良はもちろん、大伴旅人・山上憶良らが活躍した九州では、「筑紫歌壇」ともいうべき文芸サロンの花が咲いた。大宰府や松浦などの地名が歌に詠まれるのは、そのためだ。考古学の視点で万葉集を読み解くと、どのような風景が見えてくるのか。都市や交通、境界をテーマとして、第一線の研究者が、今、万葉の世界に迫る画期的な試み。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
六点
114
万葉集を歴史学・歴史地理学領域から(コト)、考古学(モノ)、国文学(アヤ)の三領域から捉え直した研究ガイドブックである。取り上げられている遺跡は都城、地方官衙、古代山城、古代官道などである。著者たちの専門もバラバラであり、関心領域も異なっているため、少し章同士の関連性が薄い面も見られる。 めでたく、感想文800件達成である。面白くとも何ともないものを読んで頂き、六点、感謝以外の何物もありません。本当に有難うございました。これからは900、1000を目指し楽しく行きたいと思います。2023/03/29
おらひらお
4
2022年初版。新しい研究分野としての『万葉考古学』を提示し、そのケーススタディとして、数本の論文を収録するもの。これまで、考古学、地理学、古代史、古代文学はそれぞれ独立して研究され、時々、連携したりしていましたが、万葉考古学ではその連携というか、個々の研究者が横断・越境しつつ研究を進めるのが前提になっています。そのあたりが「旅の学問」と称するゆえんかも。今後の展開に期待大。2023/03/12
ゆずこまめ
2
奈良の土地勘がないのでいまいちピンとこない部分もありますが、言葉の問題だけじゃなく考古学としてというのは面白い視点。実際にここにいた人達が万葉集の歌を詠んだという実感がわきそう。2024/10/18
ktkt
1
学際的な共同研究プロジェクトの成果物である論文集。各章の執筆者がそれぞれ専門的なことを書いていて、「これが万葉考古学だ!」というのはない。選書ではなく専門書でやってくれと思ってしまった。2023/02/22