ハヤカワ文庫JA<br> 楽園とは探偵の不在なり

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ハヤカワ文庫JA
楽園とは探偵の不在なり

  • 著者名:斜線堂有紀【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 早川書房(2022/11発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784150315382

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内容説明

二人以上殺した者は文字どおり地獄に堕とされる世界。探偵の青島を常世島で待っていたのは、起きるはずのない連続殺人事件だった

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

345
ミステリ+ディストピアな特殊設定物。北山猛邦『クロック城殺人事件』のような、世界観とミステリ面が解離したものにはなっておらず、いちおう天使の存在が事件にも活かされて成立している。ただ、真相に驚きがなく、二人以上殺せない世界での連続殺人という、魅力的な謎に対する解としてはどうしても弱い。犯人暴露シーンのタメが薄く、なんかあっさりしていたのも気になった。一番いらなかったのが、無理矢理に探偵の存在意義がなくなったことにして主人公を苦悩させる自家発電設定。一人しか殺さない知能犯はいくらでも出てくるだろと思う。2023/02/06

りゅう☆

86
2人殺すと天使に地獄へ落とされる。だったら1人なら殺しても大丈夫。自分が死ぬなら道連れに大量殺人してもいいんじゃね?なんて考えが普遍する世界。天使がいる常世島に招待された探偵青岸は、巻き添えを食らった仲間を失ってから正義を追い求めることもなく…。だが島の主人が殺された。そして第二の殺人。行方不明の人物は地獄に落ちたのか?まだ終わらない殺人。次々とクローズドサークル内で起こる事件に青岸は探偵の感覚を研ぎ澄ます。見事に解決一件落着…など単純な気持ちになれない。だって天使のいる世界であることには変わりないから。2023/02/02

sin

70
昔から探偵小説は苦手だ。何となれば事件に探偵の必然性を感じないからだが…物語では天使降臨の後の探偵の必要性を苦悶する探偵が登場し「…事件に巻き込まれた人を幸せにするのが役目…」などと穿ったような解釈に辿り着く場面もみられる。キャンベルの時代にはSFとミステリーの両立は不可能とされ、その後クレメントの『二十億の針』に始まりベスターやアシモフに依ってSF探偵小説の歴史が築かれてきたが、この作品は謎解きの為に天使と云う舞台装置を前提とした処が変わっている。そして最後まで死の不条理を訴えかけているように感じた。2023/05/20

オセロ

61
斜線堂先生2冊目。 2人以上人を殺したら天使によって地獄に落とされる世界で、離れ小島にある常世館に招待された人々が次々と殺されていく事件にかつて名探偵と呼ばれた青岸が挑むミステリー。 クローズドサークルという環境に加えて同一人物は2人殺すことは出来ないという特殊な設定の中で起こる連続殺人は謎が謎を呼ぶ展開で、事件の真相と犯人の巧妙なトリックには驚かされましたが、それ以上に動機は切ないものでしたね。2023/04/11

森オサム

58
著者初読み。特殊設定かつクローズドサークルミステリー。特殊設定は割にシンプルなので、最後の謎解き場面も結構分かり易かった。全編を通して探偵の苦悩(探偵とは、正義とは、天国と地獄とは)が延々と綴られており、ここが楽しめるか、共感できるか、が本作の肝ですね。著者が若いからなのか、主人公の年齢はさておき、青春ミステリー的な自分探しも感じる内容でした。トリック、犯人の意外性、伏線の鮮やかな回収、と言う所はまずまず楽しめましたが、主人公がクドクド悩むのが鬱陶しく、名探偵颯爽登場!、って感じじゃダメなの?、と思った。2023/01/09

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