内容説明
主人公は、「きみ」。二人称で描かれる失楽園の秘密とは!
名探偵を最も翻弄した幻惑と苦悩の連続殺人!
逆転に次ぐ逆転。驚愕の超絶技巧ミステリ!
「きみ」は京都四条河原町の雑踏で突然に名前を呼ばれる。思いもかけぬ再会に惹かれ合う二人。すべては、東京世田谷で「彼女」が殺されて暗転した――。
死体から見つかった、たった一本の小さな鍵。「長さ90センチ相当」のキーホルダーから、作家探偵法月綸太郎はひとつの推理を導いた。
だがそれは、果てしなき迷宮(ラビリンス)への入口にすぎなかった……。奇蹟の超絶ミステリ再臨!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪紫
63
電子書籍にて読了。「きみ」という読者への同化を求める存在。それに手を引かれて読み進めると迷宮に迷い込む感覚を味わう。だが綸太郎達の調査が進むとともに「きみ」の語り、日記帳、すべてが段々矛盾して混乱する。そして「きみ」が真の意味で読者から剥離したその時、迷宮の出口には絶望と悲しみがやって来る。確かにこれは「二」の悲劇。だけど、「きみ」から離れた読者は関わった者達がその悲劇を乗り越える術を知ることはない。ただ、作中の人間も「きみ」でなくなった読者も悲劇を引きずるしかないのだ。2024/06/02
さいと
5
「きみは~」と二人称で書かれる冒頭で、葛見百合子との出会いが書かれる。一方、同居する二人の女性の内、清原奈津美は顔を焼かれて殺害され、もう一人=葛見百合子が失踪する事件を探偵法月が捜査する。そして、きみは殺害されたのが百合子だと確信し……。と何かが違う状況を法月が推理しては新事実が判明し、仮説の構築と崩壊で読者も振り回される。このロジックを読ませる過程がとても面白い。一方で人間関係の構図に謎があるので、現実的な事件を扱っていても本格ミステリーになるという点も特徴であり魅力だと思う。2023/02/23
花嵐
5
★★★☆☆ 法月綸太郎シリーズの長編ミステリ。物語に溺れた男女の恋愛の涯の話。悲劇には違いないがどこか滑稽なところも感じられるのは、探偵役の法月綸太郎が最後までその物語に振り回されているからか。悲劇の終わりは呆気なく訪れたが物語に終わりはない。2022/11/11
テンリュウ
3
想像以上に面白かった。「一の悲劇」との関連は全くない。謎の人物である二宮、きみという二人称表記、翻弄される女性二人、そして明かされる○子の存在。法月探偵とともに騙されてみよう。2023/02/23
しゅー
3
★この著者の作品は結構読んでいるほうだし、その創作姿勢や目指しているものは理解する。ただ、小説として楽しめるかと言われると厳しいんだよなぁ。ミステリとしてよくできていると思う作品もなかなか再読したいとは思わないことが多い。本作は特に相性が悪かったようで、なかなか作品世界にはいりこめめなかった。発表当初は二人称で呼びかける文体に新しさがあったのかもしれないけれど今となっては新味にかける。登場人物の日記も感情過多で読むのがつらい。著者自身があとがきで認めるとおり、ジェンダーに関する意識のアップデートも必要だ。2023/01/28
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