内容説明
日本人の心について生涯探究し続けた河合隼雄.本書は,その河合隼雄が日本の夢・神話・物語などをもとに日本人の心性を解き明かしたエラノス会議での講演をまとめたもの.『昔話と日本人の心』『神話と日本人の心』などの代表作に結実する思想のエッセンスが,最初に海外に発信された貴重な講演の記録.(解説=河合俊雄)
目次
はじめに
謝辞
第一章 相互浸透 中世日本における夢
第二章 明恵夢記における身体
第三章 日本神話 神々の均衡
第四章 日本の昔話 美的な解決
第五章 とりかへばや 性役割交換の物語
付録 とりかへばや物語の要約
注
参照文献
解説 日本のこころと河合隼雄の臨床の思想(河合俊雄)
河合隼雄のコアの思想とそのインパクト 「現代文庫版訳者あとがき」に代えて(河合俊雄)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yutaro sata
31
何もしない神が中心に位置する意味が、前まではいまいちよく分からなかったのだが、権力を持つものが中心に位置しては物事を誤るという知恵、思想的なものがずっと生きて伝わってきているのだということが分かった。 男性の太陽神ヒルコの話も面白い。 とりかへばやの物語の全体を心の共時的構造として捉える話もまた途方もなく面白い。物語の地理的関係を、「意識」「個人的無意識」「集合的無意識」に照らして考えるところなど。2023/09/29
roughfractus02
13
「自然」は西洋的個の意識が日本に導入されて「しぜん」と読まれ始める。が、古来この語はおのずからそうあるという意味で「じねん」と読まれた。「しぜん」は個人と分離された環境であり、意識はそれを制御するための一般法則を近代科学によって追求する。一方、彼我の別の曖昧な無意識的「じねん」について、古来日本人はそれにうまく沿う生き方を神話や物語で伝え続けた。本書は、夢と覚醒を記す『宇治拾遺物語』や夢を記した明恵の逸話、さらに天皇論を含めた日本の自己(意識と無意識の関係)の特徴を、エラノス会議で紹介した5講演を収める。2022/12/20
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