ブラックストーン

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ブラックストーン

  • ISBN:9784492711811

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内容説明

プライベートエクイティ投資会社は「招かれざる乗っ取り屋」「企業価値の破壊者」などという誤解を持つ人がまだまだ多い。しかし、プライベートエクイティが米国経済に果たした役割は大きい。そのことについて具体例を交え明らかにしたのが本書だ。

◆ファンドが果たす役割を実例で学べる
アメリカのブラックストーン・グループは、プライベートエクイティや不動産、クレジット、ヘッジファンドに投資する巨大企業で、本書は、同社の事業展開と、その経営者に焦点を当てて描かれたノンフィクションである。
プライベートエクイティという、私たち日本の一般人にはまだなじみの薄い、プライベートエクイティの仕組みと米国投資ファンド業界の80年代から金融危機を経た、25年余りの米国金融業界の変遷が詳しく描かれている。
さまざまな企業への投資の成功事例、失敗事例など具体例が多く盛り込まれているので、投資をするとはどういうことなのか、誰の役に立つのか、また、金融システムの中でファンドが果たす役割がどういうものなのかを理解するのにうってつけである。

◆知的好奇心を揺さぶる内容
金融や投資に関しての基礎知識を勉強中の読者には、本書で次々と登場する金融用語は新鮮そのもの。そしてそうした金融用語の多さは、アメリカの金融・投資業界が急速なイノベーションを起こしていることの証しだともいえる。
アメリカの金融・投資業界は、古いビジネスモデルがどんどん色あせ、新規参入者が新しい手口で登場するという、きわめて熾烈な競争環境下にある。
その根底にあるアメリカの投資文化が、アメリカ経済を動かすためには不可欠な要素となっていることを、本書では述べている。
金融、投資に関心を持つ読者にとっては、アメリカのけた外れの巨大買収と巨額報酬の裏側なども知ることができ、知的好奇心を揺さぶる内容である。

目次

第1章 デビュー
第2章 フーデイルの奇跡とリーマンの内紛
第3章 ドレクセルの一〇年
第4章 どぶ板営業
第5章 万事順調
第6章 混乱
第7章 スティーブ・シュワルツマン・ショー
第8章 一時代の終焉、そしてイメージ問題の始まり
第9章 ニューフェイス
第10章 離婚、そして価値観の違い
第11章 看板替え
第12章 復活
第13章 利益重視
第14章 ドイツでつまずく
第15章 時代の先を行く
第16章 助っ人求む
第17章 相性抜群、タイミングは完璧
第18章 売却と新たな資金集め
第19章 求む、一般投資家
第20章 うますぎる話
第21章 オフィス・パーティ
第22章 株式公開
第23章 上がったものは必ず下がる
第24章 報いを受ける
第25章 価値の創造者か、あぶく銭稼ぎか
第26章 カネの向くまま
謝辞
訳者あとがき
用語一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まめタンク

5
2019年320冊目。KKRのRJRナビスコ買収を描いた「野蛮ない来訪者」を読んでおくとより楽しめます。2019/12/12

はな

4
プライベートエクイティファンドの成立から興隆、リーマンショックによる停滞を経ての初期の勃興までをブラックストーンの歴史を紐解くことによって描いたノンフィクション。著者がディールという業界誌の記者だけあって、ブラックストーンが投資してどう企業価値を高めて幾らで売却したか、各ディール毎に本当に詳しく説明してある。日本ではハゲタカファンドと呼ばれて儲けの為に企業を食い物にするイメージがバイアウトファンドには多かったが、それも本書やPEに関する理解が深まった為に払拭された感がある。2023/03/12

sab

1
「ハゲタカ」のイメージ先行で片づけられがちなPEファンドにおいて、巨人となったブラックストーンの歩みを概観する。あるアセットをまとまった資金を持って安く買い、高く売ると言う意味ではPE投資も他の投資と同じである。特色となるのは積極介入型のオーナーシップで経営に大きく関与し、企業価値を高める施策を振るう大鉈を持っていることか。各ディールが詳述され、市場の変化に適応する中で、PEファンドというビジネスがどう変化してきたかの理解が進んだ。2024/04/10

ぷるぷる

1
プライベート・エクイティ・ファンドのブラックストーンのドキュメントでその歴史追いかけながら、80年代の黎明期から企業買収に関わる米国の金融業界を紐解いていく。実に淡々とぢてストーリーとして盛り上がる部分はほとんどない。よって読み物としては面白くはない。批評的な面では著者は投資ファンドに大してあまり良い印象無いようでよく取材させたものだと思ってしまう。とは言え資本市場が底にあった時に企業に資金を供給し不況を乗り切ったという事実にもちゃんと触れられてます。功罪半ばというのが伝えられているのは良いことだ。2013/04/17

メルセ・ひすい

1
15-142 一代記!大手投資銀行に匹敵する投資・アドバイサリ能力と資金力を兼ね備えた、抜群の収益力を誇る新しいタイプの有力プレイヤーを構築した。乗っ取り屋と同じジャンク債が資金調達手段。プライベート・エクイティ業界に君臨する巨大企業ブラックストーンと、その創業者シュワルツマンの知られざる実態を気鋭のジャーナリストが描く。巨大買収と巨額報酬の裏側、LBOの歴史とその功罪、業界の栄枯盛衰を展望する。2012/03/20

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