内容説明
多変量解析や最適化の分野では,行列を用いて考えることが多く,できる限り行列を1つの単位とする行列操作が必要となる。本書では,動機づけを与える疑問を示し,そのうえで議論を進める。内容は実用上で重要なものに絞った。
目次
1. ブロック行列PartI
2. 線形方程式PartI
2.1 線形方程式Ax=bの可解性と行列の像空間
2.2 列基本変形と像空間
2.3 線形空間の基底・次元と列フルランクな行列
2.4 線形方程式の解の集合と核空間(零化空間)
3. 正定行列と最小2乗法
3.1 2次形式と行列の正定性
3.2 正定行列の固有値と直交行列による対角化
3.3 2次形式の幾何学的性質
3.4 正定行列を用いた平方完成と最小2乗法
4. 線形方程式PartII
4.1 行の関係に基づく線形方程式Ax=bの可解条件
4.2 線形空間の演算
4.3 補空間
4.4 補空間に基づく線形空間の分解
4.5 直交補空間と線形方程式の可解条件
4.6 行列のランクとランク分解
4.7 ランク分解に基づく線形方程式AXB=Cの解
5. ブロック行列PartII
5.1 ブロック三角行列の行列式とラプラス展開
5.2 ブロック行列の行列式とブロック基本変形
5.3 ブロック行列の逆行列と再帰的最小2乗法
5.4 シュールコンプリメントとシルベスターの判定法
6. ユニタリ行列による対角化と正規行列
6.1 C^n上の内積とユニタリ行列
6.2 数ベクトル空間とシュミットの直交化法
6.3 シュール分解と定理6.1の証明
6.4 正規行列の固有値・固有ベクトル
7. 特異値分解
7.1 ユニタリ行列による対角化・ランク分解から特異値分解へ
7.2 擬似逆行列と線形方程式・最小2乗問題
7.3 1次変換の増幅率と行列の最大特異値
8. ノルム
8.1 行列の「大きさ」とノルム
8.2 行列のノルム
8.3 ノルムに基づく行列の近似・誤差解析
8.4 線形空間上の点列の収束性とノルム
8.5 コーシー列に基づく収束性の判定
8.6 ノルムの幾何学的性質
引用・参考文献
索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
株式会社 コロナ社