思い出リバイバル

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思い出リバイバル

  • 著者名:彩坂美月【著】
  • 価格 ¥1,672(本体¥1,520)
  • 講談社(2022/11発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065295601

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内容説明

ひとつだけ、過去を「再上映」できるとしたら。今だから気付けることがあるーー思い出とは、未来へ一歩踏み出す自分を支えてくれるもの。

思い出をひとつだけ「再上映」してくれる不思議な存在、映人。
過去を変えることはできないが、今の自分の視点でもう一度過去を見直すことができる。
幸せだった頃を取り戻したい人、後悔にけりをつけたい人……映人に再上映を依頼する理由は様々だが、受けるか受けないかは映人なりの基準があったーー。

幸せなものでも、苦しいものでも、自分にとって価値があって大切なものだと心から思えたら、きっと「これから」が変わっていく。

思い出を再体験した依頼人たちは、何を得るのか。
そして、映人の正体と目的とは。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さてさて

151
『過去を変えることはできない。けれど、思い出の中から何かを得ることで、今の自分が変わることはできる』。『思い出』を『再上映』するというファンタジーな物語内容に心躍るこの作品。そこには五つの短編それぞれに『思い出』と向き合う主人公の姿が描かれていました。『思い出』に向き合うことの意味を教えてくれるこの作品。そんな『思い出』の『再上映』の先に、確かに何かが変わっていくのを感じるこの作品。『過去の時間を再上映することで、今の自分を再生する』。そんな『思い出』の可能性にとても酔わせていただいた印象深い作品でした。2023/11/02

シナモン

129
もう一度体験したい思い出を再上映してくれるとしたら…。殺された父親の真相を知りたい、輝いていた昔の自分をもう一度。再上映したい内容は様々。もう一度体験したからといってその過去を変えられるわけではないけれど、きちんと過去に向き合うことでこれからの生き方が変わっていく。とても良い物語でした。生きることは過去を積み重ねていくこと。自分自身、今を大切な思い出にできるよう日々歩んでいきたいと思いました。 2023/02/14

ちょろこ

127
三つのルールと共に再上映されるたった一つの思い出という不思議なひとときを描いた五つの時間物語の一冊。思い出再上映者、映人の手により依頼人が気づきという光を得ていくさまはせつなさと共に心に沁みてくる。たとえ苦く、悲しい結末が待っているとわかっていても、この時間を過ごせて思い出を得られて良かったと思えること、自分の心のアルバムに色鮮やかにまた貼り直すこと、それこそが一番大切なこと。謎めいた映人が思い出を掬い続けた意味、深みを増すfinがまた良い。思い出に救われる幸せもある、そう思うと日々の積み重ねも愛おしい。2023/02/18

モルク

117
忘れられない過去のあの日を再上映(リバイバル)してくれるという映人。もう一度体験したい思い出、理由をメールで送り承認された者だけがあの日を再上映してもらえる。これは都市伝説か。半信半疑でメールを送りあの日を体験した4人、そして映人自身を描く。あの日に戻ることはただ感傷に浸るだけではない。あの時には見えなかった事実、愛に気づきそれによって一歩前に進むきっかけとなる。似たような本も数々あるがちょっとテイストが違っていてこれはこれであり。「恋人との思い出」が好き。2023/03/25

美紀ちゃん

82
「向日葵を手折る」が大好きで、気になっている作家さん。映人はもう一度戻りたい過去の再上映をしてくれるという。タイムトリップなのか、ファンタジー的要素があるのかとワクワクしながら読んだ。「ツナグ」を思い出す。過去に戻り自己を省みる。再上映を観た人はそこから明るい方向へやり直せるようなストーリー。でもラストの種明かしで、ちょっと、え?となった。催眠暗示、心理療法。でも映人によって、確かに立ち直ることができた人がいる。無意識に沈む記憶を蘇らせるための、催眠暗示でも、それができるのは特殊な能力だと思う。癒しの力。2022/12/18

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