内容説明
妻・お龍との愛を軸に描く、風野版龍馬伝。
「龍さんを斬らはるつもりどすか?」
そんなことしたら、あんたの頭にペストルで穴空けてやる。
一つやない。指の二本も入るような穴を、三つも四つもな。
うちは、やると言ったらやる女やで--
お龍は、胸のうちで言った。
時は幕末。京都七条新地の旅館<扇岩>で働く楢崎龍(りょう)は、勤皇の志士の隠れ家で、土佐の坂本龍馬と出会う。龍馬はお龍に惚れ込み恋文を送り、後に祝言をあげる。その後日本を駆け巡る龍馬は、お龍に何度も恋文を送り続ける。
そして、寺田屋事件の夜、お龍の機転で、龍馬は間一髪命を救われる。
しかし、近江屋での夜、お龍はいなかった。お龍がいてくれたら、龍馬は間違いなく明治の日本を生きたはずだった。
龍馬の激動の人生に、お龍はどう絡んでいったのか。
龍馬がお龍に送り続けた恋文の中身はいかなるものだったのか?
「妻はくの一」「耳袋秘帖」シリーズなどで人気を博す風野真知雄が挑んだ、新時代の龍馬伝誕生。
※この作品は単行本版『お龍のいない夜』として配信されていた作品の文庫本版です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ウッチー
7
「お龍のいない夜」なるほど、寺田屋の夜と近江屋の夜の比較かと妙に納得。龍馬あってのお龍ではあるが、近江屋の後のお龍の生き方も知りたい。龍馬は多くの重要人物と会っているが、こんなみんなに綽名をつけていたのか。人と会う第一印象を楽しんでいたんだなぁ。 明治期に生きる龍馬とお龍を見てみたかった。2024/06/19
goodchoice
2
新しい龍馬像という野心的な取り組みだが、ちょっと期待外れの感あり。2023/01/05
好奇心
2
お龍のいない夜、寺田屋で幕史から逃れられた、近江屋で襲われた時、お龍不在で落命した龍馬、お龍と龍馬、オスメス龍、妙な組み合わせ、誕生日と暗殺された日が同日、これも妙な巡り合わせを持った男、郷士とは武士と商人のあいのこ土佐藩の独特な身分制度、脱藩し奔放な性格と行動、警戒心のスキが暗殺に繋がったか?犯人は今も不明であるが、幕史を殺傷・政治犯の嫌疑で殺されたのか?千葉佐那・お龍の二人の女性の一生を不幸にした男でもある、横須賀方面にある、お龍の墓所に、以前詣でたことを思い出した・・・合掌2022/11/29
prism
1
龍馬は可愛いかもしれない。可愛いのはいいと思う。女は可愛いかという感情に弱い。可愛いと思えるものがあれば、それだけでも生きていける。 それだけ大切な感情。この気持ちはいつ、何に向かうか分からない。犬や猫、あるいはもっと思いがけないものに向かうかも知れない。好きになるはずの無い男にも…かなんな…どうしょう2024/08/21
prism
1
妻・お龍との愛を軸に描く、風野版・龍馬伝 時は幕末。京都七条新地の旅館<扇岩>で働く楢崎龍(りょう)は、勤皇の志士の隠れ家で、土佐の坂本龍馬と出会う。龍馬はお龍に惚れ込み恋文を送り、後に祝言をあげ、その後もお龍に何度も恋文を送り続ける。そして、寺田屋事件の夜、お龍の機転で、龍馬は間一髪命を救われる。 しかし、近江屋での夜、お龍はいなかった。お龍がいてくれたら、龍馬は間違いなく明治の日本を生きたはずだった。龍馬がお龍に送り続けた恋文の中身はいかなるものだったのか?2024/08/21