皮膚、人間のすべてを語る――万能の臓器と巡る10章

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皮膚、人間のすべてを語る――万能の臓器と巡る10章

  • ISBN:9784622090922

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内容説明

科学・医学から社会学・心理学・歴史まで、広大な皮膚の世界を巡る旅は、目から鱗の発見の連続! 皮膚の実力を知れば世界が変わる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

101
「触れるとは、命を吹き込むことでもある」バチカンのシスティーナ礼拝堂を飾る天井画で、神の人差し指がまさにアダムに命を吹き込もうとしている瞬間を描いたミケランジェロが発した言葉。人体で最も大きく、最も目に付く臓器であるにもかかわらず、18世紀まで医学の対象とされてこなかった皮膚について、英国オックスフォード大学の臨床皮膚科医が「物質的空間」だけでなく、「感覚の機能」としての特性を詳らかにする。皮膚は、単に個性を表すだけではなく、社会性や精神性をも持ち、禊ぎや洗礼という宗教的儀式にも関係するという洞察が深い。2022/06/17

どんぐり

84
外部からの刺激を感知して、反応する皮膚。好感をもった異性から触られると気持ちが高まり、傷つけられれば悲鳴を上げてしまう感覚器官だ。瑞々しくハリのある肌に年齢が深く刻まれたしわやしみ、手術痕や個性を表現するタトゥーなど、皮膚は他者と「壁」をつくると同時に「窓」にもなる。皮膚科専門医の著者は、最初に「マルチツールのような臓器」を皮膚の構造と機能から説き起こす。健康な皮膚に共生する1000種類以上もの細菌、分娩様式の違い(経腟分娩か帝王切開か)で母親から受け継ぐ微生物叢の差が免疫機能に影響する話も出てくる。→2023/06/22

やいっち

80
実に面白かった。訳も的確だしこなれている。ポピュラーサイエンス本だが、話題が豊富なので、読んで楽しめた。皮膚…肌……化粧などに関心のある方には実用の書としても読めるかもしれない。刺青の話題も興味深い。2022/07/18

榊原 香織

74
面白かった! 汗臭い服を延々嗅ぐ実験や、世界中のカフェで人々の接触を観察する実験など、笑ってしまう。 世界中に5家族しかいない指紋のない病気とか、びっくりする話満載。 皮膚って凄い。 2022刊2022/09/18

たま

63
皮膚ってすごいなあと常日頃感じるところがあり、読んでみたら目配りの行き届いた良い本だった。第1章「皮膚の構造とはたらき」や第5章「老化する皮膚」は化粧品の説明で周知のことも多かったが、腸と皮膚の相関性(第3章)や触覚のメカニズム(第6章)には驚かされることがたくさんあった。最後の3章は文化人類学的に捉えた皮膚で、色による差別にも切り込んでいる。一般書だがみすず書房らしく索引、用語解説、参考文献付きのていねいな作り。2023/11/19

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