内容説明
うららか街の古い大邸宅で、12歳のジェーンは重苦しい生活を送っていた。彼女には父がなかった。頑なな祖母と美しい母は、なぜかそのことに触れたがらない。しかし突然、父からの手紙が届いた。プリンス・エドワード島で一緒に夏を過そうという。こわごわ出かけた彼女は、美しい自然と素朴な人情、そして何より父の深い愛情に包まれ、丘の上の小さな家で目ざましく成長してゆく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ユメ
46
ああ、なんと素晴らしい物語なのだろうと心から感じ入る。読むたびにその思いは増すばかり。少女にはあまりに冷え冷えとした環境に身を置いていたジェーンが、死んだと聞かされていた父にプリンス・エドワード島へ招かれ、人を愛し愛される喜び、人の役に立てることの嬉しさをその繊細な心めいっぱいに享受する。祖母の圧政から解放され、自由にのびのびとはばたくジェーンの魂の成長を、島の魔法のかかった美しさと父の深い愛情が見守っている。縮こまって日々をやり過ごしてきたジェーンが生きることの魅力に目覚める、あまりの幸福に胸が痛んだ。2017/08/20
ユメ
41
この物語はいつまでも、私にとって最良の夏の友だ。冷酷な祖母に抑圧され、いつもみじめな思いをしていたジェーン。父に招かれてプリンス・エドワード島でひと夏をすごすことになった彼女は、眠っていた自分の魂を解放され、のびのびと羽ばたいてゆく。ジェーンが生きる歓びを溢れんばかりに抱えて軽やかに歩く姿を見ると、私の胸も歓喜に震える。少女の目覚ましい成長。そして、灰色のうららか街からやってきて初めてプリンス・エドワード島の朝を目にした瞬間の感動。2つがぴったり重なり合っているからこそ、この物語はこんなにも人の心を掴む。2019/07/15
rokoroko
17
なんか疲れてしまったので、横になって読むのにとても良い本。私カナダ知らないのだけど、プリンスエドワード島にはいってみたい。美しい自然と心癒される話に疲労感が飛ぶ2020/01/21
rokoroko
15
(本屋さんのダイアナ)を読んだ人はこれを読みたくなる。モンゴメリの少女小説。窮屈な家で祖母と母と暮らすジェーン。死んだと思っていた父親が生きていると聞きと言う話。ぜんぶ綺麗に終わって良いのだけど(本屋さんの・・)を読んだ後なのでそう上手くいかないよねと思ってしまった。でも読後感の良い素晴らしい本2019/03/10
kagetrasama-aoi(葵・橘)
12
裏庭のハーブ・ガーデンのセージの話から、つい気になって読んでしまいました。”サルビア”が”セージ”だと以前調べて知っていましたが、”キダチハッカ”は今回検索しました。「胡椒に似た刺激のある味と香があるハーブ」だそうです。多分”スタッフドチキン”の詰め物にするんだと思います。翻訳小説読んでいると、凄くお料理が気になります。2018/10/21