内容説明
「人生で最も有意義な時間の使い方は、時を忘れ何かに没頭することです」
馴染みのカフェで、作家の中津川進太郎は原稿の締め切りに追われていた。
取り乱した様子の中年女性が突如訪れ、
動揺する中津川とマスターに「ニートの息子が騙されている」と話し始める。
お人好しで次々と詐欺に会う彼女と、行方不明の息子の行く末は……。
ほか、2作品を収録した短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やっさん
86
★★★ 独特の世界への誘い方がうまく、どの短篇も序盤から一瞬で引き込まれる(独特すぎて何度も置いていかれそうにもなるが)。どうやら作家本業の人ではないらしいね。ト書きの使い方が秀逸なので、脚本を書いてほしい。2022/12/08
chimako
74
たった117ページなのにぐったり疲れた。三編の短編。それぞれにオチはある。書名の「キニーネ」は強い苦味が特徴のマラリアの特効薬。キナという木の樹皮に含まれるアルカロイド。……書名の意味さえ分からず検索したが結局書名の表す世界は分からずじまい。巻末の【著者紹介】を読むと著者はすごく頭の良い人らしい。誰か感想を書いてくだされば「なるほど」と思えるかも。登録3、感想はなし。2022/11/23