創元推理文庫<br> オイディプス症候群

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創元推理文庫
オイディプス症候群

  • 著者名:笠井潔【著】
  • 価格 ¥1,799(本体¥1,636)
  • 東京創元社(2022/11発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 480pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488415112

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内容説明

中央アフリカで発見された謎の病、アブバジ病に罹患したパストゥール研究所の学者フランソワ。病床の彼から預かった資料を、ナディア・モガールと矢吹駆は、フランソワの師・マドック博士に届けるため、アテネへと旅立った。しかし博士は、エーゲ海の孤島・ミノタウロス島に渡っていた。彼を追うナディアと駆。島の館・ダイダロス館には、二人を含む十人の男女が集まったが、嵐で島は孤立、ギリシア神話をなぞるように装飾された客たちの死体が次々に発見される。奇怪な連続殺人の真相は? シリーズ中白眉といわれる、記念碑的傑作本格ミステリ。/解説=飯城勇三

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

geshi

38
頁数でも内容的にもハードな読書だった。『そして誰もいなくなった』をオマージュしているけど、島に集まって人が死ぬまでにクリスティーなら1冊終わるぞ。哲学談義は理解が追い付かず流し読みになってしまい、この作品をどこまで読み込めたのか分からん。真相の基本構造はシンプルなものだが難解や装飾がそこに目を向けさせないし、フーダニットの手掛かりも丁寧と本格ミステリの本道は踏み外していない。ラストのクローズドサークルものの逆転は探偵役が矢吹駆じゃないと成立しないよね。2023/02/25

marty@もぶおん学

7
創元推理文庫版刊行を機に再読。孤島に閉じ込められた人物たちが次々と殺されていくというミステリとしては王道の展開だが、ミノタウロス島というエーゲ海に浮かぶ孤島が舞台ということで雰囲気は満点。ダジールという名のミシェル・フーコーはじめ、いずれも思想に一家言持つ登場人物ばかりでこのシリーズならではの哲学論議が交わされ、さらにギリシア神話の蘊蓄や、表題の謎のウイルス感染症を巡る不穏な動きありで、物語に重厚感を与えている。2023/02/12

花嵐

6
★★★★★ 矢吹駆シリーズ第五弾。いわゆる孤島もの。長編なので途中で中弛みするかもしれないと思っていたが、そんな事態にはならず最初から最後まで物語のスピード感は維持され止まらなかった。きっとその速度感から犯人も犯行を止められなかったんじゃないか、と錯覚してしまいそうになるぐらいには。こういう結末には陰惨な口笛が似合うような気がする。それにしても物語の合間に挟まれた探偵小説論の探偵イコール犯人、もしくは犯人に匹敵しうるという可能性の話は結構面白かったなぁ。そこらへんの観念の話は直感的にはわかる気がする。2024/03/07

なつのおすすめあにめ

6
なにせ『哲学者の密室』を創元推理文庫で読んだのが(読書メーターの記録によれば)2012年の三月らしく、今ではもう読むの大変だったなくらいしか覚えていないのですが、この『オイディプス症候群』は『哲学者の密室』の「密室」を「クローズドサークル」に置き換えてあって、前作の「特権的な死の夢想の封じ込め」は「出るために作られた檻、第三項が生じるように引かれた線」にパワーアップ(?)するので、なんとなく思い出しながら読める。終わり方は今まで読んだシリーズの中で一番好きかもしれない。『吸血鬼と精神分析』は光文社文庫で…2023/12/10

カケル

6
創元推理文庫版が出たので、『ユリシーズ』も読了ったことだし再々読。前作ほどのガッツリ感はやや薄いけど、フーコーを中心に迷宮の如く言説が張り巡らせてある。このシリーズの困ったところは、とり憑かれると読みたい本が異様に増殖してしまうこと。次作まで10年空けてくれてるけど全然追いつかん。2022/12/25

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