創元推理文庫<br> カッコーの歌

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創元推理文庫
カッコーの歌

  • 著者名:フランシス・ハーディング【著】/児玉敦子【訳】
  • 価格 ¥1,400(本体¥1,273)
  • 特価 ¥699(本体¥636)
  • 東京創元社(2022/11発売)
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  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488151089

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内容説明

「あと七日」意識を取りもどしたとき、耳もとで笑い声と共にそんな言葉が聞こえた。 頭が痛い……。わたしは……わたしはトリス。昨日池に落ちて記憶を失ったらしい。少しずつ思い出す。母、父、そして妹ペン。ペンはわたしをきらっている、憎んでいる、そしてわたしが偽者だと言う。なにかがおかしい。破りとられた日記帳のページ、異常な食欲、恐ろしい記憶。そして耳もとでささやく声。「あと六日」。わたしに何が起きているの? 大評判となった『嘘の木』の著者が放つサスペンスフルな傑作。英国幻想文学大賞受賞、カーネギー賞最終候補作。/解説=深緑野分

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yukaring

60
『取り替えっ子』をモチーフにしたサスペンスフルなダークファンタジー。グリマーと呼ばれる沼に落ち、戻ってきた11才の少女トリス。目覚めた時に頭痛と共に頭に響く「あと7日」という笑い声。記憶があいまいなトリスに次々と降りかかる奇妙な現象。異常な食欲、話し出す人形、毎夜ベッドに積もる枯葉や小枝と恐ろしい記憶。幼い妹はトリスを「偽者」だと糾弾し奇妙な声は毎日カウントダウンをささやく。果たして自分は本物のトリスなのか?真実を探りだすために恐ろしい冒険にでるトリス。少女の運命が気になりページをめくる手が止まらなかった2022/12/28

Shun

36
「嘘の木」に続き2冊目。嘘を糧に育つというファンタジー設定とミステリ要素もある先の作品では、児童文学賞の看板からは想像しにくいダークな世界観が描かれていました。そして本作もファンタジー要素はあるが、読み味は冒険小説に寄せた物語となっています。主人公の少女トリスは事故で池に落ちて記憶を失い冒頭から不穏な気配。彼女の両親はトリスを気遣って温かく接するが、妹のペンは彼女を偽物と呼び何やら憎悪の目を向けてくる。耳元で囁く「あと七日」という幻聴や異常な食欲が不気味さを助長し、トリスがいる世界のヴェールがはがされる。2023/03/04

コーデ21

20
<「あと七日」少女の耳もとで囁く奇妙な声、恐ろしい記憶。わたしは誰?> 先月読んだ『嘘の木』の魅力の余韻がまだ残る中、図書館で借りたフランシス・ハーディング本。ミステリー色の強かった『嘘の木』に比べて今作はいかにも英国らしい正統ファンタジー✨ ページをめくるごとに次々と目の前に映像が立ち昇るほど吸引力の強い物語ワールド! 偽トリスの空白感の切なさと強靭な魂の叫びに胸熱くなりました。巻末の深緑野分さんの解説も素晴らしい~✨2023/02/26

taku

18
読ませる術を知っている作家だ。視点を主人公に固定させ、章が変わっても場面転換しないから流れのまま読み進められる。深く掘れる要素を幾つか放り込んでも散らかさないどころか、主の筋道以外はページ数の割にあっさり。少女のアイデンティティ発達と、ラベリングを跳ね返す弾力の物語。存在しているのだから、本物も偽物もない。誰かに変わるのではなく、自分になる。ビサイダーは野生動物にも例えられるか。カッコウとモズになぞらえた絡みになるのかと思ってた。2024/02/23

Momoko Nishikawa

3
途中から少し怖かったけれど、ヴァイオレットが絡みだしてから物語がグッと進みだした。曖昧なアイディンティティ、宙ぶらりんの死、進まない時間、偽物?であること、境界越境不定形な存在、色々な要素が詰まっていて面白かった。2023/07/09

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