内容説明
1日の総消費カロリーは、
運動しても増えていなかった!
人類進化と代謝の最新研究が、長年のダイエット論争に決定的データを突きつける。
カロリー消費を正確に測る新しい技術のおかげで、近年、代謝科学の常識が覆った。
「1日の総消費カロリーは運動しても増えない」ということが明らかになったのだ。
つまり、運動したところで、それだけで痩せることはない――。
しかし、だからといって、運動なんか意味がないということには決してならない。
逆に、運動しても1日の総消費カロリーが増えないからこそ、
運動は必ずしなければならないものだということがわかるのだ。
運動しなくても、1日の消費カロリーは減らないのだから、余ったカロリーは
別のことに使われているはずだ。これが体に良くないことを引き起こす。
余ったカロリーの使い道として、もっとも身体に悪いと思われるのが「炎症」である。
本来であれば必要のないところで、余ったカロリーは炎症を起こす。
これがアレルギーや関節炎、動脈疾患のほか、さまざまな「現代病」の原因と考えられるのだ――。
先進国の都会人から、サバンナに暮らす狩猟採集民、さらにはチンパンジーやオランウータンなどの
類人猿まで、数多くの対象のカロリー消費を測定してきた進化人類学者が、
ダイエット論争と人類進化というまったく違う領域の謎に、常識を覆す答えを提示する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えんちゃん
67
こんなに運動しているのになぜこれ以上痩せないのか。日々運動している人なら必ず思う、痩せないフシギ。キーワードは『代謝』だった。人類進化学の観点から人間のエネルギー代謝の謎に迫る1冊。一日の総消費カロリーが増えないのは、脳が消費を制限するため。摂取カロリーを下げない限り、運動しても痩せることはない。痩せないけれど健康寿命を伸ばせるので、やっぱり運動は身体に必要だから続けよう。運動していても適量以上食べたら太る。運動していなかったらもっと太る。良書。2023/10/30
R
66
ちょっとした学術本のようでもあり、カロリー消費についての研究が、人類の進化の歴史、考古学へと広がっていき、様々な知見に溢れていて大変面白かった。哺乳類でも基礎代謝が異なるという発見から、人類は消費カロリーを自然調節しているという驚きの結果にたどり着き、結局痩せるにはカロリーをとらないのが正解という、知ってたけど悲しい結末に行きついてしまった。とはいえ、運動に意味がないわけではなく、カロリーの消費をどこで行うかという自律を健康維持に割り振るためには大切だと理解した。2024/11/15
Roko
37
「運動しても1日の総消費カロリーは増えない」というのは実に衝撃的な発見です。痩せるためには摂取カロリーを減らすしかないのです。でも、これを知って運動なんかしなくてもいいんだと思ってはいけません。運動しないことで、余剰のカロリーが体内での炎症を起こすのです。これがアレルギーや関節炎、動脈疾患のほか、さまざまな「現代病」の原因と考えられるのです。炎症によって脳も動かなくなっているのかなぁ。脳に悪影響が出てそれが思考をストップさせているのだとしたら、それは恐ろしいことです。そこから逃げるには、動くしかない!2024/02/03
ばんだねいっぺい
31
人類の体は、想像よりもかなり優秀な適応力をもった代謝エンジンを積んでいるということ。食事を減らしながら、有酸素運動と筋トレに励もうと思いました。2023/07/22
月をみるもの
26
タイトルだけだと減量についての本みたいにみえちゃうけど、そんな卑小なネタにとどまらない、本書の壮大なテーマがこちら→ "進化という視点に立つと、人生はエネルギーを子孫に変えるゲームである。(中略)生殖と成長に多くのエネルギーを投じるということは、より大きな子孫を残すということでもある。大きな子孫は、生き残って生殖する可能性が高い。 他のエネルギー消費 ―― 免疫、脳、消化――は、長期的に見てエネルギーを生殖に向ける能力を高めることにつながれば、価値が認められる" → 2024/01/24
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