内容説明
ずっと昔から北海道で暮らしていた先住民族アイヌ。自分たちの文化をもち、自分たちの言葉で話し、自分たちの神さまを信じてきたアイヌの人たちの歴史や生活を、2編の楽しい昔話とともにお届します。アイヌの人たちの衣食住をテーマに、当時のエピソードが詳細に描かれており、コタン(村)の人々がどのように生きてきたかを知ることができます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
90
スズメの恩返し(カムイユカラと昔話) と 二つ頭のクマ(炎の馬 アイヌ民話集)を再話している。 沙流川のうた をカムイユーカラより採歌している。 アイヌの紹介によい。2013/05/27
☆よいこ
73
絵本。「アイヌネノアンアイヌ エネップネナ ー人間らしい人間、人らしい人になるんだよ」おこないのいいアイヌだけをアイヌとよび、病気でもないのに働きもしないでぶらぶらしているものはウェンペ(悪い者)という。昔話がふたつ[スズメの恩返し]スズメは神のひとり[二つ頭のクマ]人食いクマを退治する少年の話▽アイヌの家、食べ物、生活、地名などを紹介。和人が北海道にはいってきて、アイヌを奴隷として使ったり、勝手に定めた法律で縛りつけた歴史についても書かれる▽アイヌの昔話は主語が「私」なのが特徴。興味深い2021/10/14
ぶち
64
この絵本は、アイヌ文化の伝承者である萱野茂さんが子供時代の思い出を辿りながらアイヌ民族やアイヌ文化についてまとめた絵本です。アイヌ民族の考え方や生活などはもちろん、和人によるアイヌ侵略の歴史についても描かれています。絵本の中に、ウェペケレ(昔話)が二つ収められています。アイヌ民族の考え方を知る上で、昔話や民話はとても参考になると思います。 萱野さんのお母さんが繰り返し言っていた言葉がタイトルになりました。「アイヌ ネノアン アイヌ エネップナ(人間らしい人間、人らしい人になるんだよ)」と。2018/11/25
ベル@bell-zou
32
神は崇め敬うだけではなく、神とアイヌ(人)は対等であり、助けてもらえば神に感謝し辛い目に合えば神をも叱責する。互いを大事にしなければならないという考え方と自然と共に在る生き方がすんなり心に入ってきた。住まいの間取り図に”アシリパさんのばあちゃんちだっ!”、着物の魔よけの模様に”アシリパさんの服ッ!!”…などと興奮(笑)。ゴールデンカムイにどハマリ中の私であった。【備忘】小学館「カムイユカラと昔話」、すずさわ書店「炎の馬~アイヌ民話集」2018/12/06
ちえ
29
萱野茂さんの子供の頃の話、アイヌ文化が語られる。アイヌという言葉は行いの良いアイヌにだけ使う言葉なんだね。ルイベはただ凍らした鮭を指すのではないし、鮭を干すときは産卵後の鮭を使うなどアイヌの生活の中に生きる知恵が沢山あるんだなぁ。和人がアイヌから色々なものや文化を取り上げて来た歴史、萱野さんのお父さんが密漁で捕まる話が悲しい。今、白老に民族共生象徴空間が作られている。北海道に住んでいる人から、もっとアイヌ文化の事を知らないとね。昔住んでいた沙流川のうたが最後に載っていてとても懐かしかった。2018/12/14